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2004年02月21日(土) 19時11分

パソコンで瓦版「事件速報」 管内の自治会に配布−−吉川署の蝦名署長 /埼玉毎日新聞

 ◇「犯罪抑止に効果絶大」−−住民から好評
 「ひったくり激増」「侵入盗被害多発」——。吉川署の蝦名和三署長(56)が自らパソコンで執筆、編集する現代風瓦版「事件速報」を発行し、管内の自治会に配布している。地元で起きた事件をいち早く知らせ、防犯意識を高めてもらうのが狙い。昨年9月の就任以来継続し、住民からは「犯罪の抑止に効果絶大」と好評だ。【飯嶋英好】
 同署管内(三郷市、吉川市、松伏町)の人口は計22万人。署員220人で対応しているが、南北に28キロと細長く、千葉県、東京都と隣接するため、ひったくりや空き巣などの犯罪が後を絶たない。このため、蝦名署長は「犯罪防止には住民の協力が必要」と考え、「事件速報」の発行を思い立った。刑事課から事件内容を“取材”、署長室のパソコンで記事から見出し、レイアウト、表、イラストを作成。B4判にプリントし翌日には犯罪発生の関連自治会に署員が配布している。
 昨年9月から既に19号を発行、一部は同署交通課が編集を担当した。内容は、ひったくりと空き巣関連を中心に、▽トラック盗難▽「おれおれ詐欺」▽車上狙い——などの情報を掲載。例えば、2月15日号では「ひったくり激増 管内では本年19件被害」の見出しで、地域ごとのひったくりの発生状況を数字で示し「被害の90%が女性 郵便局・銀行周辺が多い」と説明。被害防止策として「貴重品は必ず身につける」「歩行中、車道側にバッグを持たない」などと呼びかけている。
 各自治会は事件速報を町会の掲示板に張り、住民に注意を促している。最近、事件が多発した吉川市高久1の立沢正夫自治会長(69)は「事件速報で住民も警戒するが、泥棒も掲示板を見るのか、空き巣がピタッとやみました」と話している。
 蝦名署長は「瓦版が張り出された地域では、確かに犯罪の発生件数が減少している。今後も発行を続けたい」と張り切っている。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040221-00000001-mai-l11