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2004年02月21日(土) 01時52分

みなし弁済「厳格に適用」 旧商工ファンド訴訟差し戻し朝日新聞

 商工ローン大手のSFCG(旧商工ファンド、東京都中央区)が、40%近い高利を取っていることの適否が争われた2件の訴訟の判決が20日、最高裁第二小法廷(亀山継夫、滝井繁男各裁判長)であった。同小法廷は、貸手側に義務づけられた書面の交付などに不備があった場合には、利息制限法の上限利息15%(元本100万円以上)を超えても有効とする「みなし弁済」規定は適用されないとする初めての判断を示した。

 多くの貸金業者は出資法の上限利息(40.004%、99年に29.2%に改正)と、利息制限法の上限利息(15〜20%)の間の「グレーゾーン」で営業している。借り手の任意の支払いと借り入れ・返済時の書面交付を条件にこうした高利を特例的に認める「みなし弁済」規定について、判決は、適用の要件を狭めた。これにより、支払いに苦しむ借り手の救済範囲を広げる一方、貸金業者の営業方法に影響しそうだ。弁護団も「画期的な判決」とし、SFCGだけで約500件ある同種訴訟の行方に期待を寄せている。

 判決は、札幌市と茨城県取手市の借り手側の過払い金返還請求を退けた一、二審を破棄して審理を札幌、東京両高裁に差し戻した。事実上SFCG側の逆転敗訴となった。

 同小法廷は「借り手保護の目的にかんがみ、貸金業規制法は厳格に解釈すべきだ」と指摘。そのうえで、同法で貸手側に交付が義務づけられている書類のうち、担保内容に記載漏れがあったり、弁済の際に直ちに交付しなければならない受領書が20日以上遅れたりした点を挙げ、同法が定めたみなし弁済規定は適用されないと結論づけた。

 また、当初から利息を差し引いて貸し付ける場合の「天引き利息」にも、同規定は適用されないと述べた。

 滝井裁判官はさらに補足意見をつけた。SFCGが元本の弁済期を契約日の5年も先に設定し、その間は高利の利息を1カ月ごとに前払いさせ、遅れたら即刻全額を取り立てる契約を結んでいる点について、「当事者間の合意に基づくものでも、こうした条件でなければ借り入れられない以上、任意の支払いとはいえない」と述べた。

(02/20 21:19)

http://www.asahi.com/national/update/0220/026.html