悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年02月21日(土) 07時39分

旧五菱会ヤミ金グループ、割引債10億円分を香港へ読売新聞

 指定暴力団山口組旧五菱(ごりょう)会系ヤミ金融グループによるマネー・ロンダリング(資金洗浄)事件で、同グループが約10億円分の割引金融債を国際的金融機関「クレディ・スイス香港」にひそかに持ち込み、換金を依頼していたことが、警視庁の調べで分かった。

 100万円を超える現金や有価証券の持ち出しは、外為法で届け出が義務づけられており、警視庁は、割引債を持ち出した人物の特定を急ぎ、同法違反容疑で立件する方針だ。

 調べによると、割引債が最初にクレディ・スイス香港に持ち込まれたのは昨年2月。その後、6月までの数回にわたり、計約10億円分が香港に持ち出されていたという。

 割引債は、香港から航空便でスタンダード・チャータード銀行東京支店(東京都千代田区)に送られ、五菱会系ヤミ金融グループが日本国内で所持していた計約50億円分の割引債と同様、スタンダード銀行の依頼で日本証券代行が換金手続きを進めた。

 換金された計約60億円は、すべて東京都内の都市銀行支店にあるスタンダード銀行名義の口座から、クレディ・スイス香港の口座に不正に送金されていた。

 外為法では、100万円を超える現金や有価証券を持って出入国する際には、税関への届け出が義務付けられ、違反すると懲役3年以下もしくは100万円以下の罰金が科せられる。

 警視庁は、同グループの最高責任者で「ヤミ金融の帝王」と呼ばれた梶山進被告(54)ら数人の幹部が、昨年2—6月にかけて香港を数回訪れていた事実を把握しており、近く香港に捜査員を派遣し、割引債を持ち込んだ人物の特定に全力を挙げる。

 同グループは、2001年夏ごろからの1年間に、ヤミ金融の違法利益の一部で、500万円券や1000万円券の無記名の割引債を購入。同グループが海外への不正送金ルートに乗せた約60億円分の割引債の換金は、昨年2月から始まった。

 警視庁が特捜本部を設置して本格的な捜査を始めたのが同年1月だったことから、警視庁では、危機感を抱いた同グループが巨額資金を海外に隠す工作を行ったとみている。

 ◆割引債=利息に相当する金額をあらかじめ額面から差し引いて発行された金融債。満期時には額面通りの金額で償還される。無記名で購入できる匿名性が、資産隠しの温床になると指摘されてきた。このため、金融機関は一昨年以降、購入者の身元確認を行うなどの措置を講じている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040221-00000202-yom-soci