2004年02月21日(土) 08時35分

スタンダード・チャータード銀行に不正送金で行政処分＝金融庁（ロイター）

　［東京　２０日　ロイター］　金融庁は、英スタンダード・チャータード銀行<STAN.L>東京支店が、ヤミ金融グループと海外の金融機関の間で行われた不正送金にかかわっていたとして、２月２７日から東京支店のカストディ業務の新規取引受託業務を停止する行政処分を行った、と発表した。
スタンダード・チャータード銀行東京支店のカストディ部門は、同支店に大量に持ち込まれた割引債が満期を迎えた後に資金化され、海外に送金されるために使われたが、その際、口座の本人確認を怠った。また、マネーローンダリングなど疑わしい取引に関与している可能性のある取引の場合、金融機関は金融庁の金融情報室に届け出を行う義務を担うが、それを怠っていた。
金融庁によると、行内調査の結果、疑わしい取引の届け出義務違反は多数確認された。また、同東京支店に持ち込まれた割引債は数十億円程度のものとみられ、警視庁の捜査が続いている、という。
金融庁は、同支店のカストディ業務の新規取引受託を、２月２７日から１年間、停止する命令を下すとともに、業務の是正・法令遵守の徹底のため、内部管理体制の強化などを求めた。同東京支店は、今年３月２２日までに業務の是正・改善計画を提出し、即実行することを求められている。
２００５年２月２８日以降は、是正改善計画の進ちょく状況などをふまえ、カストディ業務の新規取引受託の開始申し出があった場合、金融庁は再開を認める場合がある、としている。
金融庁銀行第一課によれば、本人確認法が施行されてから、金融庁が銀行に対して行政処分を行ったのは初めて、という。（ロイター）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040220-00000533-reu-bus_all