悪のニュース記事

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2004年02月20日(金) 00時00分

泥棒も恥ずかしい!?はではで自転車朝日新聞・

 派手な塗装をすれば自転車は鍵をかけなくても盗まれない−−。豊中市のNPOが手書きのカラフルな自転車を用いた実験をしたところ、こんな結果が出た。同市内や大阪・ミナミなどの繁華街で、実験に協力した市民20人が「鍵なし」で3週間自転車を乗り回したが、1度も、1台もとられなかったという。「犯罪都市という大阪の汚名を解決できるのでは」「放置自転車のリサイクルにもなる」と夢は広がり、今後、より多くの人に広めていく予定だ。

 このNPOは「豊中インキュベーション・センターMOMO」。地域ビジネスの育成をしている東京のNPOが、豊中市の要請で昨年、初の大阪支部を豊中の旧公民館に設けた。

 地域ビジネスの鍵は、地域の人の困りごとを見極めることにある。事務局長で山口県出身の山根多恵さん(23)らが目をつけたのが、府内で年間4万件を超える自転車盗だった。「目立つ自転車なら盗まれないのではないか。もし盗まれても、皆で楽しく探せる」

 豊中市が提供した30台の自転車のフレームに、地域の児童や主婦らが、中古品リサイクルを手がける男性の指導で思い思いの塗装を施した。黒地にピンクや水色の格子模様、小豆色の下地に白抜きで志望大学の名前を書いたもの−−市販の物とはかけ離れた、個性ある自転車ができあがった。公募で集まった20人がそれぞれ好みのものを選び、1月10日から31日まで、鍵をかけずに乗り回した。

 目立って盗みにくいからか、派手すぎて恥ずかしいからか、盗難は一件もなかった。

 大阪市内に住む女性会社員は、ヒマワリをあしらった自転車を勤務先のミナミで利用した。出張のため、5日間市営地下鉄堺筋本町駅付近に置き続けたが、無事。

 豊中市の30代の主婦は、近所の子がペイントした阪神タイガース柄を使用。最初は少し恥ずかしかったが徐々に愛着がわき、堂々と家の塀の外に置き続けたが、無事。

 これまで3回自転車をとられ、最近は怖くて乗れなかったという別の主婦も、シマウマ模様の自転車を使ったところ取られず安心したという。また、「混雑した駐輪場でも、どこへ止めたかすぐわかる」「面倒な鍵の開閉の手間が省けた」などの声も寄せられた。

 実験責任者の大阪芸大院生の山野修平さん(23)は、「身近なアートに関心を持ってもらうきっかけにもなった」と喜ぶ。普及へ向けて、今後は絵画教室に通う社会人や美術クラブに所属する学生など、表現の場を求めている人たちに依頼する予定だ。「あの人に描いてもらいたいと依頼する人が現れ、描く方も喜んで表現できる。そんな人のつながりも生まれて欲しい」


(2/20)

http://mytown.asahi.com/osaka/news02.asp?kiji=705