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たかがレジ袋、されどレジ袋なのである。
国内の年間使用量は約四百億枚、重さにすれば三十二万トンにも上る。ゴジラ十頭分より重い。自然分解されない強さもゴジラ並みである。
素材は主にポリエチレン。つまり石油が原料だ。これだけのレジ袋を作るには、六・六億リットル以上の石油が必要な計算になる。つまり、中東から危険を冒して運ばれる貴重な石油が、結局ごみにされている。それも膨大な量が、である。もったいないことには違いない。
一方、これだけ使われるということは、レジ袋が、極めて身近な存在だということだ。
「リサイクル」という言葉は、ひとまず社会に定着した感がある。しかし、再利用に頼るだけでは、ごみ減量にも限界がある。自治体や住民、企業が、リサイクルの次に目指すべきもの、それが「発生抑制」である。そもそもごみになるべきものを、作らず、買わず、元からなくすやり方だ。
ついこの間まで当たり前の光景だった買い物かごへの郷愁に触れるまでもなく、日常の買い物ならば、マイバッグを持参すればこと足りる。レジ袋は、消費者が発生抑制について考え、行動を始めるための“入り口”とも言えるだろう。
レジ袋に関する取り組みは、海外でも急速に進んでいる。
韓国では、一回用品規制法の規定によって、レジ袋は一枚五十ウォン(約五円)の有料だ。アイルランドでは課税によって九割減った。バングラデシュでは製造、使用を禁止した。
しかし、できることなら、有料化や課税で強制されないうちに、売り手と買い手双方が発生抑制という同じ目標を見定めて、自主的な取り組みを始める方が望ましい。そのために行政側には当面、客がレジ袋を断るとお店の方も得するような仕組み作りを求めたい。
名古屋市の「エコクーぴょん」では、レジ袋を断った場合の特典(ポイント)を、台紙にウサギのシールを張って管理する。しかし、ICカードや地域通貨を駆使すれば、より斬新なゲーム感覚も盛り込めて、集客にも弾みがつくに違いない。
まずは時流を、できるだけ楽しくつくることである。そうすれば、今は及び腰のコンビニなども、向こうから参加を求めてくるはずだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20040220/col_____sha_____003.shtml