2004年02月20日(金) 21時36分
「有栖川宮」詐欺事件、初公判で2被告が無罪を主張(読売新聞)
旧皇族の「有栖川宮(ありすがわのみや)」を名乗り、結婚披露宴と称するパーティーを開いて祝儀をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた無職北野康行(42)(京都市左京区)、同坂本晴美(45)(東京都文京区)両被告ら3人の初公判が20日、東京地裁で開かれ、北野、坂本両被告は無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、北野被告が発案した皇族を詐称する手口を、坂本被告がエスカレートさせていった経緯を明らかにした。
罪状認否で、北野被告は「有栖川を名乗って結婚式をしたのは事実だが、皇族とは言っていない」、坂本被告は「夫と結婚し、友人を呼んだだけ」と強調。パーティーの会計などを担当した会社役員楠信也被告(42)(目黒区)は、大筋で起訴事実を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、北野被告は1982年ごろ、出生地名を基に姓を「伏見」と名乗り、勤務先で皇族の血縁者と誤解されて「宮さん」と呼ばれた。これを機に詐称を思いつき、京都市内の「川島有栖川町」という地名を参考に有栖川識仁(さとひと)をかたり、集会への出席の見返りに車代を受け取るようになった。
2002年8月、北野被告はパーティーで会った坂本被告に好意を持ち、「有栖川宮家の継承者ではないので、殿下として扱わないでほしい」と打ち明けた。ところが、坂本被告は詐称を続けるよう指示。昨年3月、楠被告に「殿下は神に近い方なので、殿下との記念撮影に、客は10万円でも払う」と話し、パーティー開催に協力させたという。
起訴状などによると、3人は昨年4月、東京都港区で開いたパーティーで、北野被告を皇族と信じた参加者327人から祝儀として現金計1206万円と絵画(1500万円相当)をだまし取った。(読売新聞)
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