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2004年02月20日(金) 23時43分

<みなし弁済>借り手側敗訴の高裁判決を破棄 最高裁毎日新聞

 一定の条件が整えば、貸金業者が利息制限法の上限金利(15〜20%)を超える利息を受領できる「みなし弁済」制度を巡り、商工ローン大手「SFCG」(旧商工ファンド、東京都中央区)と借り手が争った訴訟で、最高裁第2小法廷は20日、借り手側敗訴の2件の高裁判決を破棄し、東京、札幌の各高裁に審理を差し戻した。同小法廷は「債務者保護を目的とする貸金業法の趣旨からみれば、厳格に適用すべきだ」と述べた。そのうえで「契約文書に法律で定めたすべての事項が記載されていなければ、みなし弁済は認められない」との初判断を示した。

 日栄・商工ファンド対策全国弁護団などによると、同種の訴訟はSFCGを巡る訴訟だけで数百件あり、その他の貸金業者との間でも多数の訴訟が起こされている。高金利の根拠となっている同制度に厳しい条件を課した判決は、業界全体に大きな影響を与えそうだ。

 同小法廷は「制度適用の要件は、厳格に解釈すべきだ」として、弾力的適用を求めたSFCG側の主張を退けた。そのうえで、まず利息を天引きして貸し付ける手法について、「みなし弁済の適用はない」とする新しい見解を示した。

 2件の訴訟は「制度が適用できないのに、40%近い金利を支払わされた」として、利息制限法の利率を超える利息(過払い金)の返還を求めた。茨城県の塗装業者は約420万円、札幌市の住宅建築会社(事実上破たん)の元社長は約290万円の返還を請求したが、ともに1、2審判決で敗訴したため、上告していた。今後は二つの高裁で、過払い金の算定を巡る審理が続く。【小林直】

 ◆みなし弁済 利息制限法は、10万円未満の融資は20%、10万円以上100万円未満は18%、100万円以上は15%と上限金利を定めている。一方、出資法の上限金利は29・2%(00年6月の変更前は40・004%)で、この間の利率は「グレーゾーン」と呼ばれる。

 みなし弁済制度は(1)借り手の自由な意思による返還(任意性)(2)借入時と返済時に法律などで定めた書面を渡す——を条件に、このグレーゾーンの金利の受領が許される制度で、書面に記載すべき事項、書面を渡すタイミングなどを巡り、全国で訴訟が起こされている。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040221-00000119-mai-soci