2004年02月19日(木) 18時51分

高級版画詐取で、元画廊職員起訴−−秋田地検大館支部　／秋田（毎日新聞）

　秋田地検大館支部は１６日、画商を名乗り高級版画などをだまし取ったとして、元画廊職員、新田喜一容疑者（４６）を詐欺罪で秋田地裁大館支部に起訴した。新田被告は顧客ら約２０人から「すぐ返す」と東山魁夷などの作品計１００点以上を借り、骨とう品店などで売却したと見られ、被害総額は１億円近くにのぼると見られる。
　起訴状などによると、新田被告は０１年７、９月の２回、「日本画の行商をしているが、客への見本として作品を貸してほしい。すぐに返す」として顧客だった小坂町の無職女性（７５）の版画５点（時価計約６１０万円相当）をだまし取った。盗んだ版画は売却し、売上金を競馬などの借金の返済に充てていた。
　新田被告は９８年まで盛岡市内の画廊の従業員だった。単独で経営した画商の売り上げが振るわず、画廊の顧客情報をもとに、東北各県の名画収集家などを渡り歩いていたと見られる。同地検は余罪についても近く追起訴する方針。【津村豊和】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040219-00000003-mai-l05