2004年02月19日(木) 07時16分
MSが2004年2月版の「セキュリティ対策CD」を無償配布、Windows XP以外も対象に(ITmediaエンタープライズ)
マイクロソフトは2月18日より、2003年10月までに公開されたセキュリティ修正プログラムを収録した「Windows セキュリティ アップデート CD(2004年2月)」の無償配布を開始した。CDは二枚組みで、同社Webサイトより申し込みを行うことができる。ただし、実際にCDが発送されるのは3月上旬になる見込みだ。
このCDは、Windows XP、2000、ME、98、98SEの各プラットフォームを対象としたもの。各バージョンごとに、最新のサービスパックと2003年10月までに公開された「重要な更新」が収録されており、HTML形式のインタフェースを通じて自動的にインストールできるという。
このCDを利用すれば、接続環境の問題などでパッチの適用作業が困難なユーザーでも、「2003年10月時点での望ましい状態」に持っていくことができる。だがそれは、「安全な状態」を意味するものではない。このCDには、MS03-048以降のパッチ——ASN.1に存在した深刻な脆弱性(MS04-004)もその1つだ——は含まれていない点に注意が必要だ。
したがって、たとえこのCDを用いても、その後Windows Updateを利用して残る4カ月分のパッチを適用しなければ、MS03-049など複数の脆弱性を悪用するNachi.Bなどに感染する恐れがある。CDの利用後はWindows Updateの利用が不可欠、ととらえておいたほうがいいだろう。
「Protect Your PC」の延長
マイクロソフトは昨年のMSBlast(Blaster)ワームのまん延を機にセキュリティ戦略を見直し、パッチ提供スケジュールの月刊化、デフォルトでのセキュリティ機能強化といった手を打ってきた。コンシューマーユーザーに「パーソナルファイアウォールの利用」「ウイルス対策ソフトウェアの定期的な利用」と「最新パッチの適用」という3つの行動を呼びかける「Protect Your PCキャンペーン」もその1つだ。
同社は昨年9月、このキャンペーンの一環として、Windows XP向けに、Service Pack 1とMS03-039までのセキュリティ修正プログラムを収録した「Blasterワーム緊急対策用CD-ROM」を約20万枚作成し、無償で配布することも行っている。その理由として同社は、Windows Update機能があまり利用されておらず、特にナローバンド環境のユーザーにとっては、Service Packのような大容量のデータをダウンロードすることが困難であることを挙げていた。
今回のCD-ROM配布は一連の動きの延長線上にあるものと言えるだろう。「Blasterワーム緊急対策用CD-ROM」は、文字通り緊急避難的な措置だったが、ユーザーからの反響や要望を受け、こういった形態でもパッチが提供されるようになったものと見られる。
「Windows セキュリティ アップデート CD(2004年2月)」にはほかにも、Windows XP向けに限定されるが、セキュリティ機能のチェックと有効化を容易に行えるようにする「Windows Security Analyzer」が同梱される。さらに、シマンテックが提供するウイルス対策ソフトウェア「Norton AntiVirus 2004」とパーソナルファイアウォール「Norton Personal Firewall 2004」の試用版がバンドルされる。
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