2004年02月18日(水) 02時21分
宿泊拒否事件 営業停止18日通知 アイスターに 熊本県が方針(西日本新聞)
熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(同県合志町)入所者の宿泊を拒否した事件で、同県は十七日、同ホテルを旅館業法違反で営業停止処分とする方針を正式に発表した。十八日に同ホテルを経営する化粧品会社「アイスター」(東京)に処分内容を通知する。宿泊拒否を理由に自治体が行政処分に踏み切るのは全国で初めて。
同県は処分内容の通知に合わせて二十七日までに弁明書を提出するよう同社に要請。弁明書の内容を検討したうえで三月上旬に最終決定する。営業停止期間については「まだ検討段階の行政情報にあたるため、明らかにできない」としているが、三日間とみられる。
同県によると、アイスターは昨年十一月、感染の可能性がないにもかかわらず宿泊予定者が同園入所者であることを理由に宿泊を拒否したとされる。旅館業法は宿泊希望者が明らかに伝染病に感染している場合などを除きホテルや旅館の拒否を禁じている。
中村義彦・同県健康福祉部長は会見で「旅館業法違反での行政処分は前例がなく検討に時間を要したが、宿泊拒否による人権侵害の重大性と再発可能性を考慮し、必要と判断した」と述べた。菊池恵楓園の太田明自治会長(60)は「再発防止へ県は英断を下した」と評価した上で、「処分は遅きに失した感がある」と語った。
■重大な旅館業法違反 潮谷義子・熊本県知事の話
慎重に検討してきたが、旅館業法違反の重大性にかんがみ、行政処分の手続きに入ることにした。(西日本新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040218-00000021-nnp-kyu