2004年02月17日(火) 00時00分

「オレオレ詐欺」初の摘発 県警、実行犯追う（朝日新聞・）

　　県警の捜査本部が１６日に詐欺容疑で「口座屋」とみられる容疑者を逮捕したオレオレ詐欺事件。昨年夏ごろから高齢者を狙った事件の容疑者検挙は県内で初めて。県警は今後、他の都道県警と合同捜査本部を設置し、２容疑者の逮捕を突破口に背後にある実行犯の解明を急ぐ。

◆「開設頼まれた」

　　逮捕されたのは田中亮則（２７）と馬場敏彰（２３）の２容疑者。調べによると、北九州市の田中容疑者と、高松市の馬場容疑者が知り合ったのは、０１年ごろ。田中容疑者のホームページに載っていたアルバイト情報を見た馬場容疑者が連絡をとったのがきっかけだった。その後、２人は直接会うようにもなり、昨年９月下旬、田中容疑者が「預金通帳とキャッシュカードを１セット３万円で買い取る」と馬場容疑者に「アルバイト」を持ちかけた。馬場容疑者はこれに応じ、１０月初旬、都市銀行４支店に自分名義の口座を開設し、田中容疑者に渡した。

　　調べに対し、田中容疑者は、馬場容疑者に口座を作らせた理由について「頼まれた」と語り、「（オレオレ詐欺の）実行犯ではない」と供述しているという。自分も９月初旬、北九州市内の都市銀行に口座を開設していた。

　　また、馬場容疑者は、４口座分の報酬計１２万円は「受け取っていない」という。

◆２人の口座で犯罪

　　２人が開設した合計５口座のうち３口座は、親類などを語って金を振り込ませてだまし取る「オレオレ詐欺」に使われた疑いがある。昨年１０月３０日、日向市内の女性（７８）が孫を装った男に電話で「借金の保証人になり困っている」とだまされ、馬場容疑者名義の口座に２００万円を振り込んだ。金は同日中に東京都内の支店で引き落とされた。他にも県内外の７件のオレオレ詐欺事件で２人の口座が使われた疑いがあるという。

◆被害者は全国に

　　県警は、２人が開設した口座を利用したオレオレ詐欺事件の実行犯のグループの逮捕に向けて捜査を進めている。

　　これまでの調べでは、このグループは２人を含む全国の「口座屋」が開設した計３２口座を使い、１７都道県の被害者に計４８００万円を振り込ませていた疑いがある。

　　県警のまとめでは、１６日現在、県内で確認されたオレオレ詐欺の既遂事件は昨年７月以降、３９件、被害額は３６８０万円にのぼる。（2/17）

http://mytown.asahi.com/miyazaki/news02.asp?kiji=3081