2004年02月17日(火) 00時00分
「青森」商標登録問題(朝日新聞・)
中国政府反応なし 再三の異議県が苦慮 政府レベル折衝に期待 中国・広州市のデザイン会社が「青森」という商標の登録を中国商標局に申請した問題で、度重なる異議申し立てに対する中国政府の反応がなく、県は対応に苦慮している。これまでに県は4回の異議を申し立てているが、言い分が認められたかどうかが判明するのは1年から1年半も先。関係者は今後の政府レベルの折衝に期待を寄せている。
「商標が認められれば国内外の消費者に混乱を与える。中国の国内法に照らし、適正かつ公正に審議してほしい」
木村太郎農水政務官は10日、農水省に中国の呂淑雲公使参事官を呼び、こう訴えた。呂参事官は「申し入れは本国に伝える。今後も率直な話し合いをしていきたい」と答えた。
県はこれまで主に海産物を中国に輸出。今後も中国への農水産物の輸出拡大を検討しているが、商標が認められた場合、「青森」ブランドとしての県産品の輸出ができなくなるおそれがある。
県の流通加工、農林水産政策両課によると、中国では企業が商標を申請すると、政府が商標を官報に掲載する。登録に異議がある場合、3カ月以内に根拠となる書類をそろえて申し立てないと、商標は自動的に認可される仕組みだ。
これまでに5種類の商品分野で商標が官報掲載されており、県は一番最後に申請された衣類を除く4種類に対し、2月5日までに異議申し立てをした。衣類についても4月上旬の期限を前に、申し立てをするかどうか関係者と協議している。
申し立てをすれば、審査期間中は商標が使われることはない。ただ、昨年夏には三村知事が中国政府に文書で申し入れをしたが、反応がないという。中国では商標にかかわるトラブルが極端に多く、個別案件に即座に対応できないという事情もあるようだ。
小川弘毅県流通加工課長は「先方から何の反応もなく正直、不安だ。外交レベルの働きかけが増え、世論が高まってくれれば」と話す。
中国の法律では、広く知られた外国の地名は商標登録できないと定めている。県は「青森」という言葉が日本の地名として、中国国内にどれだけ浸透しているかを示そうと、青森アジア冬季競技大会やリンゴ栽培技術の研修の様子など、中国の雑誌や新聞の切り抜きを集め、旅行などの人的交流も十分にあることをデータで提示してきた。
中国側の回答は商品分野によっては、来年1月までに出る見込みだ。県関係者は「間違いなく中国で『青森』は知られているはずだ。認められなければ訴訟に訴える」とあくまで強気だが、解決の糸口は見えていない。
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http://mytown.asahi.com/aomori/news02.asp?kiji=5930
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