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農林水産省は17日、大分県九重(ここのえ)町で飼育されていた鶏から高病原性鳥インフルエンザのウイルス感染が確認された、と発表した。感染したのはいずれもチャボで、13羽中7羽が死んだ。製材所でペットとして飼われていたという。県は同日、発生場所から半径30キロ以内の養鶏農家に鶏卵と鶏肉の移動を禁止した。鳥インフルエンザの発生は、1月の山口県阿東町の養鶏農家に次いで戦後2件目。新たな発生で国内での感染が広がっていることになり、農水省などでは感染源や感染経路などを調べる方針だ。
農水省によると、茨城県つくば市の動物衛生研究所で17日、死んだチャボ1羽を検査したところ、H5亜型のA型インフルエンザウイルスが検出され、高病原性鳥インフルエンザと確認された。今後、山口県やアジアで感染拡大している「H5N1」型かどうか遺伝子分析などをするという。
県などによると、飼い主から14日に「3羽が突然死んだ」と役場などに連絡があった。16日朝までに4羽が死に、家畜保健衛生所での簡易検査で鶏インフルエンザの陽性反応が出たという。
残りの6羽と、共に飼っていたアヒル1羽は県が焼却処分にした。製材所の近くに住む男性によると、17日、製材所に保健所の職員らが訪れ、消毒作業にあたったという。
大分県は鳥インフルエンザが発生した山口県とは周防灘をはさんで向き合う。鳥インフルエンザは野鳥などを介しても感染する可能性がある。このため、大分県は1月中旬、県内の養鶏業者138戸を対象に聞き取り調査を実施した。採卵向け75戸と肉用向け63戸の計138戸の養鶏場を対象とした聞き取り調査だったが、その時は異常のある鶏は発見されなかったという。
鳥インフルエンザを巡っては、1月に山口県阿東町の採卵養鶏場の鶏からH5N1型ウイルスが検出された。ベトナム、タイ、中国などで感染が広がり、死者も出ている。山口県阿東町で発生した高病原性鳥インフルエンザ問題では、同県が発生農場から半径30キロ内で鶏の移動を禁止。同区域で実施していたウイルス分離検査などをした結果、異常はなかったと発表した。この結果を踏まえ、農林水産省は今後も新たな発生を疑う兆候がなければ、19日にも移動制限を解除、県も18日にも終息宣言を出す予定にしている。(02/17 18:52)