2004年02月16日(月) 14時55分
宿泊拒否のホテル廃業 ハンセン病問題 アイスター方針 「最大の謝罪」と説明(西日本新聞)
熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(同県合志町)入所者の宿泊を拒否した事件で、同ホテルを経営するアイスター(東京)は十六日、同ホテルを廃業する方針を明らかにした。
江口忠雄社長が同日、同ホテルで従業員に説明した。アイスター本社によると、宿泊予約が入っているため、廃業時期は未定という。
同社によると、廃業する理由は「(入所者の)宿泊を断ったことに対する最大の謝罪」と説明している。
同ホテルは昨年十一月、病気を完治し感染の恐れがないにもかかわらず、同園入所者の宿泊を拒否。同県は「正当な理由なく宿泊を拒否した」として旅館業法違反で同ホテルを営業停止処分とする方針を決めており、十六日夕にも正式発表する予定だった。アイスター側の突然の「廃業宣言」は、こうしたタイミングを見計らったものともとれ、恵楓園入所者には新たな不信感もわいている。
× ×
時期は未定
▼アイスターの塔本勲社長室室長の話 廃業が最善の謝罪と考えた。ホテルの従業員には十六日午前中に廃業方針について説明した。廃業の時期については、従業員の今後のこともあり、まだ(いつとは)分からない。
× ×
ワードBOX=ハンセン病宿泊拒否事件
熊本県南小国町のホテル「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が昨年11月、同県が申し入れたハンセン病療養所入所者の宿泊予約を「他の宿泊客に迷惑がかかる」などとして拒否。入所者や県の猛抗議を受けたホテル側は入所者らに謝罪したが、一方で「入所者であることを伝えなかった県の責任」などとする主張を繰り返した。県などは熊本地検に旅館業法違反容疑で告発。事件をめぐっては、ホテル側に同調して入所者側や県を批判する意見も市民から多数寄せられている。(西日本新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040216-00000075-nnp-kyu