2004年02月16日(月) 19時11分
阪大病院医療ミス訴訟、国に1億3000万賠償命令(読売新聞)
劇症肝炎で大阪大病院高度救命救急センター(大阪府吹田市)に入院した元会社員、高木かほるさん(48)(大阪市)が「カテーテルの挿入ミスで心停止し、植物状態になった」として、設置者の国に約1億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。
中本敏嗣裁判長は「担当医がカテーテルの位置確認を怠ったのが原因」とセンター側の過失を認定し、国に約1億3000万円の賠償を命じた。
判決によると、高木さんは2000年1月、同センターで劇症肝炎と診断され、主治医が血液透析のため、右肩付近から静脈にカテーテルを挿入。その後、十分に血液が抜けないため、治療を引き継いだ別の医師がカテーテルを心臓方向に移動させたところ、心停止した。急きょ開胸手術をしたところ、心筋にカテーテルの先端部が刺さって穴が開いており、高木さんは穴からの出血で心臓が圧迫されて低酸素脳症に陥り、植物状態となった。
中本裁判長は「カテーテルを移動させた場合、レントゲン写真を撮影するなどして位置を慎重に確認すべきなのに、担当医は漫然と心筋付近にまで動かしそのまました」と指摘した。
高木さんは現在も意識がなく、姉(52)が法廷代理人として提訴していた。
松田暉・大阪大医学部付属病院長の話「今後の対応は判決内容を検討し、関係機関と協議して決めたい」(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040216-00000311-yom-soci