2004年02月15日(日) 09時38分
譲渡目的で口座開く、3人逮捕/おれおれ詐欺の振込先に、大館署(秋田魁新報)
大館署は14日までに、他人に譲渡する目的で預金口座を開設したとして、都内の男ら3人を詐欺容疑で逮捕した。開設した口座は「おれおれ詐欺」などの振込先口座として使用されており、同署はこれまでに本県を含む10都道県の13人が被害に遭ったことを確認している。
逮捕されたのは住所不詳、自称電気工事士太田勇雄(36)、東京都足立区新田、無職横田三郎(63)、さいたま市南区大谷場、会社員依田功(58)の3容疑者。同署は横田、依田両容疑者を今月上旬に逮捕(地検大館支部に送致済み)。両容疑者の供述から13日夜に都内で太田容疑者を逮捕、14日に移送した。
調べでは、3容疑者は共謀し、昨年12月12日ごろ、都内の銀行支店で、他人への譲渡目的で横田容疑者名義の普通預金口座を開設、目的を隠して預金通帳とキャッシュカードを同支店からだまし取った疑い。預金通帳とキャッシュカードは太田容疑者を通じて第三者の手に渡ったとみられ、「おれおれ詐欺」の振込先に悪用された。
先月7日には、この口座を振込先に指定した「おれおれ詐欺」が県内でも発生。田代町の男性(67)の自宅に、県警の警察官を名乗る男から「息子さんが東京から来た人と交通事故を起こした。相手の車が壊れ、同乗者もけがをした」などとする電話があった。
息子、事故の相手と名乗る2人の男と電話で話したこの男性は、「事故相手」から示談金として横田容疑者名義の口座への現金振込を求められ、同日中に約163万円を送金した。金は直後に、都内の他行のATM(現金自動預払機)から何者かによって引き出された。
被害に気付いた男性は翌8日、同署に届け出た。同署は、口座開設を申し込んだ際の横田容疑者の住所などから、同容疑者の居場所を割り出した。
横田容疑者名義の口座を使った同様の手口の被害は青森県や新潟県、九州各県でも確認されているほか、横田、依田両容疑者は都内や埼玉県内の銀行や信用金庫、郵便局で30件以上の口座を開設、通帳などを太田容疑者に渡していたことが判明。同署は通帳の行方や「おれおれ詐欺」の実行犯との関連などについて調べている。
http://www.sakigake.co.jp/servlet/SKNEWS.News.kiji?InputKIJICODE=20040215b