悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年02月14日(土) 07時04分

盗難通帳払い戻しは本人確認不十分 7銀行を提訴へ 宮城の被害者河北新報

 窃盗グループが空き巣などで通帳と印鑑を盗み、本人に成り済まして金融機関から預貯金を払い戻す事件で、仙台市と宮城県塩釜市の被害者6人が、金融機関の本人確認が不十分で顧客の財産保護義務を果たさなかったとして、七十七銀行(本店仙台市)など7行に、預金計約4200万円の返還を求める訴えを16日、仙台地裁に起こす。

 被告はほかに秋田(秋田市)、岩手(盛岡市)、みずほ、三井住友(ともに東京都)、住友信託(大阪市)、UFJ(名古屋市)の6行。
 訴えによると、6人は1999年11月—2003年10月、自宅などから盗まれた通帳を使われ、預金110万—1250万円を払い戻される詐欺被害に遭った。

 窃盗グループは盗みの実行役と預金払い戻し役に分かれ、払い戻し役は盗み役から通帳と印鑑を受け取り、金融機関に直行。名義人のふりをして払戻請求書に名義人の氏名や住所を書き込み、通帳などを窓口に提示して払い戻しを受ける。
 青葉区の会社員女性(48)のケースでは、犯人が払戻請求書に名義人の住所の番地を誤って記入したものの、行員が正確に書き直させて払い戻しに応じた。太白区の主婦(28)の場合、犯人が名義人の届け出印と違うはんこを押したが、行員が是正させ預金を支払った。

 会社員女性は「銀行は誤記などの不審なシグナルをも見逃し、犯罪の手助けをした」として被害額の弁償を求めたが、銀行は「住所の書き間違えは名義人本人でもあり得ることで、本人確認に落ち度はない」と取り合わなかったという。
 盗難通帳を使った預貯金払い戻し事件は全国で相次ぎ、宮城県警が1月までに、仙台市や福島市で犯行を重ねた窃盗団を摘発した。金融機関の銀行の責任を問う訴訟も2000年から全国で起こされ、金融機関に返還を命じる判決も出ている。

 今回の提訴は全国一斉で、仙台訴訟を担当する小野寺信一弁護士は「被害者の救済を図るほか、金融機関に預金者の財産保護対策の徹底を促し、犯罪防止に役立てたい」と話している。
 みずほ銀行など都銀と一部地銀は窓口の払い戻しでも暗証番号を入力し、本人確認を徹底する制度を既に導入。七十七銀行も今年10月までに導入する方針だ。
(河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040214-00000010-khk-toh