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「最期(最後の誤り)通知」と題したはがきは、金融機関から債権回収の依頼を受けたとする業者「佐々木興業」が「ブラックリストに登録し、財産・給料を差し押さえる。入金、連絡がない場合は弊社特別地方回収員が自宅、勤務先、親族のもとに行く」などと督促。最後に「早期解決を考えるならば、至急連絡を」としている。振込先の口座番号は書かれておらず、三種類の携帯電話番号が記載されている。
十三日現在、これらの電話は、いずれも「電波が届かないためかかりません」という音声案内が流れ、つながらなくなっている。
はがきは約三百枚で、先月中旬に返送されてきた。あて先は愛知県内を中心に福岡、大分県などで、返送理由は「転居先不明」や「受け取り拒否」。消印から、はがきはすべて東京都内で投かんされたことが分かった。
商店主の男性(45)が、現住所に入居したのは昨年秋。それまで約半年間は空き家だった。「地元に詳しい人が空き家のままと思い、住所を使ったのかもしれない」と話す。男性がはがき記載の携帯電話に電話すると、男の声で「借金をしているはずだ」などと一方的に決めつけたという。
法務省審査監督課によると、債権者から債権を購入し回収業務ができるのは、「債権管理回収業に関する特別措置法」に基づき、法務大臣の許可を得た業者のみ。許可条件は▽資本金五億円以上▽取締役の一人が弁護士資格を持つ▽社員に暴力団員がいない−などで、現在、全国八十六業者が登録されている。佐々木興業は許可を受けておらず、架空の債権回収業者とみられる。
石川県生活科学センターによると、架空業者から債権回収の督促状が届いたり、購入した覚えのない商品の代金を請求されるなど「架空請求」の相談は、今年に入ってから、四百件以上寄せられている。センターは「身に覚えのない請求には絶対に応じないように」と注意を呼び掛けている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/ikw/20040214/lcl_____ikw_____001.shtml