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2004年02月14日(土) 14時57分

著作権使用料値上げにオケ連反発、支払い拒否4か月読売新聞

 コンサートで演奏した音楽の著作権使用料を巡り、日本音楽著作権協会(JASRAC)が昨年10月に行った料金値上げに、日本オーケストラ連盟(児玉幸治理事長)が反発、使用料の支払いを拒否していることが、14日、明らかになった。

 JASRACが決めた使用料を、特定の音楽団体が意図的に支払わないケースは珍しく、著作権の利用を巡って議論を巻き起こしそうだ。

 JASRACによると、日本の著作権使用料は海外より低水準で、人気ロックグループ、U2やローリング・ストーンズが来日した際には、使用料収入が少なすぎるとクレームがついたという。

 そこでJASRACでは、国際水準に近づけるために1999年から音楽関係の各団体と協議を開始。小さな会場での使用料が割高になる定額制を是正し、入場料と会場定員を算定基準とする定率制に変えることなどを盛り込む新たな規定を作り、昨年10月から施行した。

 ところがこの規定では、小ホールでのリサイタルのように以前より使用料が下がる例がある一方で、客席の多い大会場を使うオーケストラには大幅な負担増となる。例えば、定員2000人入場料8000円のコンサートで、20—40分の3曲を演奏すると、従来の約11万6000円が30万円まで引き上げられる。

 この結果、ショスタコービッチの交響曲やストラビンスキーのバレエ音楽など、現代音楽の人気作品の上演について、財政の苦しい楽団にとって影響が出かねない状況となった。

 NHK交響楽団や読売日本交響楽団など23団体が加盟する同連盟の岡山尚幹事務局長は、「著作権使用料を支払わなければならない現代音楽の演奏が困難となり、文化振興に逆行する。欧米と比べて公的支援などが少ない日本の現状も理解して欲しい」と訴える。

 これに対して、JASRACは「引き上げには段階的に積み上げる経過措置も盛り込んでいる。クラシック音楽界でも、新規定を認めてもらった団体もあり、オーケストラだけを特別扱いに出来ない」と困惑している。

 多くのオーケストラは3月末が決算期。このため、「使用料の書類をまとめるだけでも1か月近くかかる」(東京都響)と、新規定で使用料を支払うべきなのか、早期決着を望む声も増えている。

 ◆著作権使用料=音楽や文芸作品などの著作権を利用した際に、著作権の管理団体へ支払う料金。その保護期間は、「著作物が創作された瞬間から、原則として著作者の死後50年まで」となっている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040214-00000105-yom-soci