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おれおれ詐欺などに悪用される不正口座を大量に密売していたグループが摘発された事件で、同グループが、口座の開設名義人になる協力者向けに、銀行での対応方法を示した不正口座の“開設マニュアル”まで作成していたことが、警視庁捜査2課の調べで分かった。
同グループは、知人のツテなどで口座開設協力者を集め、マニュアルを使って金融機関のチェックをかいくぐらせていた。中には、60以上の口座を開設した協力者もいたといい、捜査2課で組織的な不正口座密売の全容解明を進める。
詐欺容疑で逮捕された電話代行会社「ふれあい友の会」(東京都新宿区)役員荻村忠明容疑者(41)らのグループが作成したマニュアルには、銀行などの窓口を訪れた際の模擬応答などについて、約20項目にわたり細かく記載されていた。
おれおれ詐欺やヤミ金融に口座が悪用されるケースが相次いだことから、金融機関では、口座の開設希望者の自宅や勤務先が支店から離れていたり、開設している口座数が多かったりするなど不自然なケースに対しては、窓口の行員が開設を拒否するなどの対策に乗り出している。
このため、マニュアルでは、自宅住所と支店が離れていることを指摘された場合は、「引っ越してくる予定」「子供の学校が(銀行の)近くにあるので、学費の払い込みに使いたい」などと答えるよう指示。また、口座数も、怪しまれないように1銀行あたり10支店程度を限度に開設し、支店も複数の自治体にまたがるよう指導していたという。
さらに、銀行に出向く際には「整髪し、背広、ネクタイ姿で行くように」などと、細かな身だしなみにまで触れていた。
捜査2課では、第三者に売り渡す目的で行われた口座の「開設」と「買い取り」を、銀行から預金通帳を詐取した一連の行為とみなしているが、荻村容疑者らがこうしたマニュアルを作っていたこと自体に「詐欺」の意図があったものと判断したとみられる。
一方、調べによると、同グループは、口座の管理担当、口座開設の協力者を探す買い取り担当、口座の販売担当などと役割を分担していたという。1口座あたり3—4万円で売却、うち1—2万円を報酬として協力者に支払っていたが、支店数が多い銀行や、インターネットで振り込みができるサービスが付いている銀行の口座の場合、高値で売買していた。