2004年02月13日(金) 00時00分

「不必要な手術」、福岡地裁が賠償命令（朝日新聞・）

医療法人敗訴

　診断が確定しないまま乳がん手術や放射線治療をされた上、その後の病状などの医療情報を無断で裁判に証拠提出されてプライバシーを侵害されたとして、福岡県内の女性が、国と同県粕屋郡の医療法人に総額３４４５万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が１２日、福岡地裁であった。高野裕裁判長は「手術前に確定診断を得るよう努め、必要ない治療を行うべきでなかった」として、法人に５００万円の支払いを命じた。医療情報の提出については「正当な訴訟行為だ」として請求を棄却した。

　判決によると、法人が運営する病院は９８年４月、確定した診断が出る前に、女性の乳がんや周辺のリンパ節の切除手術を行い、国立病院九州医療センターに転院させて放射線治療を受けさせた。しかし、手術後に確定した診断で、女性のがんは転移の可能性が低く、リンパ節の切除や放射線治療は必要ない性質のものとされた。

　法人側は０２年４月に提訴された後、女性が当時診察を受けていた医師から、がんの再発などの医療情報を女性に無断で入手し、裁判の中で証拠として提出したため、それについても女性が訴えていた。（2/13）

http://mytown.asahi.com/fukuoka/news02.asp?kiji=5952