2004年02月13日(金) 08時54分
「牛肉の安全は全頭検査しかない」BSE発見学者(読売新聞)
BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)などの病原体「異常プリオン」を発見し、1997年にノーベル生理学・医学賞を受賞したスタンリー・プルシナー米カリフォルニア大教授が、米議会に対し、牛の全頭検査に消極的な米政府の政策を批判し、日本の安全策を強く支持する発言をしていたことが明らかになった。
プルシナー教授は、先月末開かれた米下院の食品安全に関する会議に出席。「牛の異常プリオンは人間に感染しうる。欧州では、異常プリオンに汚染された牛肉や牛肉加工食品を食べた150人以上の若者らが死亡している」とBSEの危険性を強調。「今後も食品へのプリオン汚染はなくならないだろう」との懸念を示した。
そのうえで、「日本が行っているような牛の全頭検査のみが、牛肉の安全性を確保し、消費者の信頼を回復することになる」と発言、「米国がなぜ、全頭検査の採用に消極的なのか理解できない」と米国の食肉政策を非難した。さらに「地上で最も繁栄した国の人々は、汚染のない肉を食べる権利を持っているはずだ」と続け、政府に全頭検査の早期導入を求めた。
内閣府の食品安全委員会事務局は、教授の発言について「世界的な専門家の貴重な意見。日本の食肉政策を進めていく上で参考にしていきたい」とコメントした。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040213-00000302-yom-int