2004年02月08日(日) 13時41分
西田敏行でオウム事件“再現”(スポーツニッポン)
オウム真理教(アーレフに改称)の松本智津夫被告=教祖名・麻原彰晃=の判決公判を27日に控えてテレビ各局が特番の準備に追われる中、TBSが公判当日だけでなく、1週間後をめどに放送する報道特別番組を制作していることが7日、分かった。事件に絡むビデオ問題で揺れた同局が全社を挙げて取り組み、元信者が実名で登場する再現ドラマも用意。現在キャスティング中だが、いち早く捜査官役で西田敏行(56)の主演が決まった。
TBSは坂本弁護士一家殺害事件をめぐるビデオ問題で、報道のあり方を問われ大きな議論を呼んだ。あれから9年。松本被告の判決公判という大きな節目を迎え、事件を見つめ直すため、全社を挙げて報道特番を放送することになった。
制作プロデューサーを務める信国一朗報道局編集センター長は「ビデオ問題はこれまでも、またこれからもTBSにとって重い課題だと認識している。今回の番組はそうした認識を踏まえ、オウム事件そのものを風化させてはならないという趣旨で始まった」と企画意図を説明。事件を振り返るだけでなく、なぜ若者がオウム真理教に引き込まれ、数々の事件を引き起こすまでに至ったのかを、綿密で膨大な取材をもとに再検証することが最大の目的という。
企画が立ち上がったのは1年前。当時の取材チームを中心に全社態勢で取り組んでおり、判決公判後も取材を継続。制作チームは取材したものを正確に伝えることに意識を集中する。社内からも「報道として再現手法というのは逃げに当たるのではないか」という反論が出たが、何度も議論を重ねて再現ドラマの形式を取ることを決めた。
番組は約3時間。最新のインタビューと当時の映像を中心に再検証を進めるドキュメンタリーで、再現部分は1時間あまり。今回の取材で得た新たな事実もニュースとして伝えていく。
難しいテーマでありながら、西田もTBSの制作趣旨を理解して出演を快諾。元信者ら登場人物は実名で登場し、有名俳優に出演を交渉している。同プロデューサーは「番組を見ていただいた上で、視聴者のみなさまにご意見をお聞きしたいと思います」と話している。
▼西田敏行 報道特別番組で新たな試みということで、いつもとは違う責任を感じています。ドキュメンタリーと自分のかかわる部分がどういうふうな形で仕上がるのか、番組のテーマと当時の状況が正しく伝わればと思っています。(スポーツニッポン)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040208-00000019-spn-ent