2004年02月06日(金) 21時58分

＜名誉棄損訴訟＞武富士が請求放棄　批判記事筆者が事実上勝訴（毎日新聞）

　消費者金融大手の武富士（東京都新宿区）が「批判的な記事で名誉を傷つけられた」として、フリージャーナリストの寺澤有（ゆう）氏（３６）と集英社（千代田区）に２億円の損害賠償などを求めた訴訟で、武富士側は６日、東京地裁（宇田川基裁判長）の弁論準備手続きで、請求を放棄することを明らかにした。請求放棄の際に作成される調書は確定判決と同一の効力があるため、武富士側の全面敗訴を意味する。

　武富士が批判記事の執筆者や出版社を相手に起こした訴訟は少なくとも６件あり、終結したのは初めて。寺澤氏は「真実を報道したのに、巨額の賠償訴訟を起こされ損害を受けた」などとして、約６億円の損害賠償などを求め、提訴する方針。

　問題になったのは昨年５月２７日号〜同８月１２日号の週刊プレイボーイに掲載された４本の連載記事。

　寺澤氏側が和解を拒否していたため、相手方の同意が必要のない請求放棄を選択したとみられる。民事訴訟法２６６条で規定される請求放棄は、原告が請求に理由がないことを認める意思表示。【小林直】

　寺澤氏の話　言いがかりで訴訟を起こし、一方的に放棄するのはむちゃくちゃだ。

　集英社広報室の話　記事の正当性が認められたと受け止めている。

　武富士の石原勝一郎広報部長の話　提訴後、事情の変化にかんがみて交渉してきたが、被告側が和解に応じないので請求を放棄した。（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040207-00000079-mai-soci