2004年02月05日(木) 19時36分
「個人版民事再生手続」の申し立てが急増 03年は01年の3・85倍 /石川(毎日新聞)
◇「不況で収入減や失業」
住宅ローンなどで多重債務に悩む個人向けの「個人版民事再生手続」の申し立てが急増。県内でも金沢地裁によると、03年は制度が導入された01年の3・85倍に当たる154件の申し立てがあったことが4日分かった。個人版民事再生手続の説明会・相談会を8日に開く住宅金融公庫北陸支店は申し立て急増について「景気低迷で収入減や失業が増え、住宅ローン返済などが苦しくなった影響」と分析している。 【浜本年弘】
個人版民事再生手続は、民事再生法の改正で個人債務者向けに設けられ、申し立て受理件数は同地裁によると、地裁と3地裁支部合わせて、01年40件▽02年77件▽03年154件(概数)と急増。
北陸3県を管轄する同支店まとめでも、3県分の契約約10万件のうち01年度39件▽02年度78件▽03年度(12月まで)98件と増加。「この手続の紹介にも取り組んでいて、認知度が高まった面もある」という。
同支店債権管理課によると、破産の場合は所有財産を処分清算するため、通常、最終的には購入住宅を手放さなくてはならなくなる。一方、個人版民事再生手続の場合は、購入住宅を失わずに個人収入などで返済しながら、債務の一部を免除されて破産を避けることができるという。ただ、信用情報機関のリストに登録され一定期間は新規ローンが難しくなったり、複雑な手続きで個人が進めるのは難しい点などがあるという。
住宅金融公庫利用者の北陸3県の平均像は、マイホーム新築時は1500万円前後を借り、月額8万円、ボーナス22万円を返済——というもの。しかし、ここ数年連日のようにあるローン返済の相談から、サラリーマンの場合、ボーナス・カットに始まり、賃金引下げや失業、預貯金の取り崩し、さらに消費者金融などからの借り入れによる住宅ローン以外の多重債務などの実情が明らかになってきたという。
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同支店主催の説明会・相談会は8日、金沢市石引4の石川厚生年金会館で開催。いずれも無料。説明会は10時〜11時半で事前申し込みの先着100人。「特定調停手続」や住宅金融公庫の「返済方法変更手続」などの説明もある。相談会は13〜17時で同24組。県司法書士会員や公庫職員が具体的に相談に応じる。問い合わせは同支店債権管理課(076・233・4253)へ。(毎日新聞)
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