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【収入なかった】
調べだと、押収されたのは「スーパーコピー」といわれる精巧なルイ・ヴィトンやエルメスの偽物バッグ850点。
共犯で逮捕された友人が韓国から輸入し、インターネットが得意だった羽黒灘に販売を依頼。本物の10%という超激安価格で売りさばいていた。羽黒灘は「廃業後、収入がなく、月60万円の報酬がある“仕事”がやめられなかった」とシュンとしているという。
【期待の2世力士】
羽黒灘は、新潟出身で強力なぶちかましから「デゴイチ」の異名を取った黒姫山(現武隈親方)の長男坊。
「『大ちゃん、大ちゃん』と親方に溺愛(できあい)されていた。幼いころから相撲の道を目指していたので、体格は大きかった」(新潟のタニマチ)
相撲の名門、明大中野高に入学。関東高校生大会で個人優勝するなど注目の2世力士として、平成5年に初土俵を踏み、翌6年の九州場所では序2段で優勝した。
その後は奮わず、「番付表をずっと見ていたが、(しこ名が)いつもちーっちゃいんだよね。そのうち消えてなくなった。体が弱く、病気やケガばかりしていた」(近所の住人)
この証言どおり、20代前半、慢性腎(じん)炎を患い10カ月入院したのをはじめ、ヒザや足首、肩の故障、揚げ句には「カゼまでよくひく」(関係者)ほどで、体格のわりには虚弱体質だったようだ。
一方で「入院中に同じ病気の人とメール交換にハマったことをきっかけに、自分のHP『灘茶会』を立ち上げた。自分を『ナダっち』と名乗り、場所中でも、ファンとチャットに勤しんでいた」(知人)ほどの自覚のなさだった。
現在は閉鎖されているHPの日記には、「子供のころからおとなしくて気弱だったから相撲も勝てず、大した昇進もできなかった」(近所の住人)というナダっちらしい、ヘタレな心情が赤裸々に告白されていた。
その一部を引用すると…「前夜は午前3時半まで寝ることができませんでした」「なにかにおびえるような不安とともに、土俵に上がる恐怖感まで…。ふぅ…。早く終わらないかな…なんて考え出す始末」「土俵に上がれば頭は真っ白」「土俵から逃げ出したい」など。
自己紹介では、「好きな言葉・行き当たりばったり」「嫌いな言葉・根性(大嫌い!)」と明記。さらに好きな食べ物は「パン」、ハンバーガーは「10個から20個は食べる」「体脂肪は29%」(肥満に分類)等々、力士らしからぬ“技”を連発していた。
そんな「根性ナシ」ゆえか通算成績168勝107敗110休で、けがを理由に平成13年5月に引退した。
角界に名残惜しいのか、自宅の表札の字は番付表の字体とそっくり…。近所の主婦は「家族は若い小柄な奥さんと3人の子供。夫婦で出かけたりして、仲は良さそうだった」。
相撲以上に熱を入れていたパソコン技で挑んだ“禁じ手”。逮捕の決まり手は「勇み足」といったところか。
ZAKZAK 2004/02/04