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世界保健機関(WHO)のハノイ事務所は1日、ベトナムで、新たに姉妹2人が鳥インフルエンザ(H5N1)に感染していたことを確認するとともに、それが人からの感染だった可能性があると発表した。感染した鶏に接触したなど、感染経路が確認できなかったためだが、仮に「人から人への感染」だったとしても、ウイルスが人に感染する新型に変異した可能性は少なくとも現時点では低く、直ちに大流行になる恐れはないという。
姉妹は北部タイビン省の23歳と30歳。ともに1月10日に発症し13日に入院、23日に死亡した。この姉妹の兄(31)とその妻も高熱や呼吸困難など、似たような症状を示し兄は12日に死亡、妻は快復した。兄の検体はなく、感染を確認する手段がないという。
WHOハノイ事務所のロバート・ディエツ報道官は、「感染源を確定することはできていない」としながらも「兄から姉妹への限定的な『人から人への感染』だったというのが一つの可能な説明だ」としている。さらに今後も調査を続けるという。ただし、ベトナムでは感染が養鶏場以外の一般家庭の鶏にも広がっているため、姉妹が感染した鶏やフンと接触した可能性も否定できないという。
マニラにあるWHO西太平洋地域事務局の感染症対策の責任者である押谷仁博士は、「現時点では小さな家族内の、ある程度限定的な人から人への感染とみられる」と指摘したうえで、「人から人へ効果的に感染するウイルスには変化していない可能性が高く、大きな流行になるとは考えていない」と話した。
ベトナムでは、この姉妹を含め10人の感染が確認され、うち8人が死亡した。感染者の中には姉妹や母子がいるが、WHOはいずれのケースについても、「鶏との直接接触による感染」としている。
WHOによると、97年に香港での鳥インフルエンザ感染の際も家族など限定された範囲内での人から人への感染例があったが、大規模な感染には広がらなかったという。
(02/01 21:18)