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2004年01月31日(土) 15時02分

<牛丼>迫るXデー 底つく在庫、「安い」「早い」の行方は?毎日新聞

 牛丼チェーン店から牛丼が消える「Xデー」が刻々と近づいている。BSE(牛海綿状脳症)発生で米国から牛肉輸入がストップし、牛肉在庫は底をつく寸前。2月中には店頭からほとんど姿を消しそうな情勢だ。各社は知恵をこらした代替メニューで乗り切りを図るが、気軽に食べられた牛丼は「幻の味」になってしまうのか……。【小林理、藤田裕伸】

 ■消える80万食

 最大手「吉野家」のXデーは2月中旬。築地店(東京)と、契約上、牛丼しか販売できない競艇場などに入る約10店は、国産牛肉を使って細々と牛丼販売を続けるが、残る約970店からは約80万食(1日)の牛丼が消える。

 代替メニューとして今月中旬までに発売した「カレー丼」「焼鶏丼」などの販売比率は約2割。ただ400〜450円という価格に「高い」と顔をしかめる吉野家ファンも多い。吉野家ディー・アンド・シー(本社・東京)の安部修仁社長は「その声はごもっとも。急な対応で、まだお値打ち感のある商品にはなっていない」と認め、値下げやさらなる新規メニューの発売を検討中だ。

 ■リリーフエース

 「すき家」は、29日から37店で牛丼の販売をとりやめ、2月5日までに全483店で完全に休止する。代わりに登場したのが「豚丼(とんどん)」。材料はデンマーク産豚肉。昨年12月末から開発にとりかかり、タレの調合と格闘して仕上げた自信作だ。運営するゼンショー(同)の小川賢太郎社長は「牛丼が右のエースなら豚丼は左のエース」と絶賛。危機の「火消し役」として期待を寄せる。

 「なか卯」は17日から牛丼の販売店を減らし始め、2月2日には全286店でほとんど「豚どんぶり」への切り替えを完了する。飯田橋東口店(東京)の小泉茂幸店長は「牛丼ファンに申し訳ない。価格も上がるため、販売への影響が心配だ」と話す。

 ■品揃えで勝負

 意図的に牛丼の販売比率を減らしてショックを緩和する企業もある。

 「松屋」は昨年12月から鶏肉を使った「唐揚げ飯」など次々と新規メニューを発売。とりわけビーフカレーの代替品「チキンカレー」は、価格を290円とビーフより100円安くしたのが功を奏して、ヒット商品に成長。さらに1月26日からは全576店で「豚めし」を発売し、これまで販売食数の半分を占めていた「牛めし」の比率は2割程度にまで下がった。

 2月下旬には在庫がなくなり、牛めしの販売ができなくなりそうだが、担当者は「品ぞろえを豊富にしたおかげで大打撃は避けられそう」としている。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040131-00001049-mai-soci