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東京都立広尾病院の看護師が99年2月、入院中の主婦永井悦子さん(当時58)に誤って消毒液を注射して死亡させた事件で、夫の裕之さん=千葉県浦安市=ら遺族5人が都などを相手に総額1億4500万円余の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。大門匡(だいもん・たすく)裁判長は元病院長と元主治医に事故を隠蔽(いんぺい)した個人責任も認定。総額約6000万円の支払いを命じた。
都とともに訴えられたのは、岡井清士・元院長、都病院事業部元副参事や当時の主治医ら5人。遺族側は、医療にたずさわる個人も真相解明に誠実に対応してほしいとして、個人の責任も追及。立場に応じて720万〜60万円を請求していた。
被告のうち元都副参事は警察への届け出を怠った医師法違反罪への共謀を否定されて刑事事件で無罪が確定したが、判決は「元副参事は事故に適切に対応せず、届け出を回避するよう助言した」と認定。ただ、賠償責任は都が負うと判断した。
一方、元院長と元主治医については「必要かつ可能な限度で死因を解明し、遺族らに説明する義務を怠った」と判断。元院長には100万円、元主治医に50万円の支払いを命じた。
都は裁判で看護師のミスを争っておらず、判決も病院側の過失を認定した。
岡井元院長と元副参事は刑事事件でも、警察への届け出を遅らせたとして、医師法(異状死体等届け出義務)違反の罪で在宅起訴された。元院長は一、二審で有罪判決を受けて上告中だ。元主治医は同罪で罰金2万円の略式命令を受けている。消毒液を誤って投与した2看護師も業務上過失致死罪で有罪が確定した。(01/30 11:21)