2004年01月29日(木) 03時12分
<国民年金>月額保険料、毎年300円上げへ 与党調整(毎日新聞)
自民、公明両党は28日、国民年金の保険料(現行月額1万3300円)を05年から毎年4月ごとに300円ずつ引き上げ、2016年4月以降1万6900円に固定することで最終調整に入った。厚生労働省は05年度から毎年600円ずつ引き上げて10年度に上限1万6600円にする試算を示していたが、7月の参院選を控え、引き上げ幅の抑制で決着する見通しとなった。
政府・与党は昨年末、年収に対する厚生年金保険料率(現行13.58%)を毎年0.354%ずつ引き上げ、2017年度以降18.35%で固定することで合意した。厚生年金の基礎年金部分は国民年金と共通の制度であるため、国民年金の保険料は厚生年金保険料率の引き上げに連動させる必要があり、与党で調整が続いていた。
また与党年金制度改革協議会は28日の会合で、働く高齢者から保険料を徴収し、一定以上の収入がある人の年金を一部カットする在職老齢年金制度を70歳以上に拡大する案のうち、保険料徴収は見送り、年金カットだけを導入することで合意した。これによって生まれる財源約1700億円の半分程度を活用し、厚生年金保険料率の上限18.35%を0.05%程度引き下げ、18.3%前後とすることでも調整に入った。自民党は29日、党の年金制度調査会で保険料率の引き下げを提案する。
さらに自民、公明両党は、夫婦間の厚生年金分割案について、強制的に分割する厚労省案は退けたものの、妻が65歳になった時点で希望すれば、夫の厚生年金の半分を妻名義の年金として受け取れる案を軸に検討することになった。厚生年金のパート労働者への適用拡大については、正式に先送りを決め、5年後に再検討することを確認した。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040129-00000139-mai-pol