2004年01月29日(木) 11時24分
<おれおれ詐欺>昨年の被害総額43億円 60代以上が8割(毎日新聞)
孫や子供を装って電話をかけ、金銭をだまし取るいわゆる「おれおれ詐欺」の認知件数が、昨年1年間で6504件(うち未遂2185件)に上り、被害総額は43億1800万円に達したことが、警察庁の調べで29日分かった。特に年末3カ月は毎月1000件台を記録し、年間被害額の過半数を占めるなど、社会問題化した後も被害はやんでいない。
今回初めて被害者の調査を実施。性別では約7割が女性。年齢別では60歳以上が8割で、うち70代が最多の4割を占めた。家族構成では高齢者(65歳以上)だけの世帯が半数を超え、うち3割が1人暮らしだった。被害額は6割以上が100万円台で、最高額では複数回にわたり1800万円をだまし取られた70代の男性がいた。
手口の上位は、▽交通示談金名目4035件▽借金返済名目1268件▽妊娠中絶手術費名目367件——などだった。
また、「息子が連帯保証人になっている。すぐに金を振り込まないと、息子がどうなるかわからない」(山梨県警、12月)など、より荒っぽい類似の恐喝事件も発生。認知件数は131件(うち未遂が84件)、被害総額は約7500万円で、年末3カ月間に100件が集中、急増している。
一方、検挙は、▽詐欺で179件、逮捕者延べ58人▽恐喝で7件、逮捕者延べ20人。10〜30代の男が、数人から数十人でグループを作り、電話や金の引き出しなど役割分担するのが特徴。電話帳で手当たり次第電話をかけ、振込先にはインターネットで売買されている不正口座を利用する。
同庁は、被害防止に役立った対策として、金融機関職員の窓口での注意喚起や、犯行直後の口座の凍結などを挙げ、今後も対策の柱に据える。【窪田弘由記】(毎日新聞)
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