2004年01月26日(月) 00時00分
ガス点検装う詐欺事件頻発(朝日新聞・)
「警報器代8万円です」高齢女性狙い49件 「販売店から頼まれてガスの点検に来た」。プロパンガスの保安調査員を装った男が点検費やガス漏れ警報器代と偽り、お年寄りから金をだまし取る事件が昨夏から県内で相次いでいる。県LPガス協会は「協同組合保安センターは県の認定を受けている。保安調査員が調査・点検費や警報器などの購入を求めることはない。身分証の確認をしてほしい」と注意を呼びかけている。
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暮れも押し迫った昨年12月26日の朝、蓮田市の農業女性(73)は自宅の庭で作業していた。紺の作業着を着た50歳くらいの見知らぬ男が庭の勝手口に現れて言った。
「LP会社センターの本社からガスの点検に来ました。10年に1度の点検で回っています」
女性は40年近く、プロパンガスのメンテナンスを岩槻市の販売店に任せている。不審に思って断ると、男は携帯電話で販売店に電話するふりをし、販売店は了承済みだと装った。
点検を終えると男は、販売店が以前取り付けた警報器の代金だと言って、女性に8万円を要求した。
「そんな銭どこにあると思ってんの」。女性がどなりつけると、「内金として半額の4万円でいい」と態度を変えた。女性は支払いを拒み続けたが、早く帰ってもらおうとついに財布から2万円を取り出し男に渡した。「来年2月、残りをもらいに来る」。男は社名のない領収書を置いて立ち去った。
県LPガス協会によると、23日までに県内の29市町で49件(うち未遂10件)が発生、秩父と県南部を除き頻発している。被害額は1万〜30万円で、総額は約350万円に上る。被害者は60歳以上の女性がほとんどだ。
男は40〜50歳くらいで作業着を着用。胸に保安調査員を名乗った名札をつけていることもある。おおむね平日の午前10時〜午後3時ごろに被害者宅を訪れており、お年寄りが1人で家にいる時間帯を狙っているらしい。
先のケースのほかに、点検代を要求したり、機器の取り換えを装って先に金を受け取り、「後で工事に来る」と立ち去ることもあるという。
同協会は「保安点検は本来、供給側の義務。契約者に点検費を支払わせることはないし、警報器は買い取りでも7千円程度まで」と話している。
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http://mytown.asahi.com/saitama/news02.asp?kiji=4935
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