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滋賀県八日市市の県立八日市高校(高橋健四郎校長)が、大学を受験した卒業生らの名前と合否情報を本人に無断で大手予備校などに提供したのは、県個人情報保護条例に違反するとして、滋賀弁護士会が同校と県教委に改善を求める要望書を出していたことが26日、明らかになった。学校側によると、無断提供は少なくとも10年以上続いており、2年前まで合否結果1件につき、10〜30円の手数料を受け取り、問題集の購入費用などに充てていたという。
滋賀弁護士会は昨年7月、学校関係者から人権侵害の救済申し立てを受け、同弁護士会の人権擁護委員会で調査。合否結果は高度なプライバシー情報で、実名とともに無断で提供するのは人権侵害に当たると判断した。
要望書では、同校に対し、生徒らから書面で同意を得た上で、合否判定の目的外使用をしないよう予備校側と確約した書面を交わし、県教委に対しては、ほかの学校でも同様の行為が起きないよう指導、監督するようそれぞれ求めた。
同校によると、02年春には、卒業した約360人の合否情報を大手予備校の「代々木ゼミナール」「河合塾」と、模擬試験を共催する「ベネッセコーポレーション」「駿台予備学校」に提供。計約13万6千円を手数料名目で受け取った。だがその後、校内で手数料を受け取っていることが問題となり、03年4月、前年に受け取った全額を予備校など各社に返却。すでに情報提供を終えていた03年春の卒業生については手数料を受け取らず、各社と利用目的を定めた確約書を交わした。
高校側にとっては、大学の合否情報と過去の予備校の模試結果を予備校に分析してもらうことで、翌年度の進路指導に役立てるメリットがあったという。
同校では今年度から、希望者に限って個人名や合否情報を提供すると決め、今月上旬、進学予定の3年生全員に説明書と同意書を配布し、全員から同意を得たという。高橋校長は「進路指導の役に立ち、長年慣習的にやっていた。結果的に個人情報の管理が不適切だった」と話している。(01/26 21:43)