2004年01月24日(土) 20時00分
<オレオレ詐欺>手口巧妙化、「孫からと言わないで」と先手 (毎日新聞)
「オレオレ詐欺がはやっていて、不審に思われるから、金融機関では『電話で孫から頼まれた』と言わないで」——。徳島県相生町の70歳代の無職女性が、巧妙な新しい手口のオレオレ詐欺に遭い、約400万円をだまし取られた。犯人は、金融機関の窓口の機転で未遂に終わるオレオレ詐欺がこのところ増えたので、先手を打ったとみられる。24日発表した徳島県警は、同様の被害に注意を呼びかけている。
調べによると、男は22日午後1時ごろ、「借金の保証人になってあげた人が逃げた」と電話で、約200万円を振り込むようこの女性に頼んだ。男はこの際「金融機関に孫の話をすると不審に思われ、振り込みを止められてしまう」などと涙ながらの演技で泣きを入れ、口止めを図ったという。
債権者を名乗る別人とみられる男が、途中で電話を代わり、九州の都市銀行支店の口座番号などを伝えるという念の入れよう。さらに23日午前11時ごろにも同じ「債権者の男」から電話で、追加で約200万円を別口座に振り込むよう要求された。
迫真の語り口と涙声に、すっかり信じてしまった女性は22、23の両日、町内の金融機関から約200万円ずつ、計約400万円を指定口座に振り込んでしまった。定期貯金を解約したため、窓口で事情を尋ねられたが、孫の話はしなかったという。
23日午後3時ごろ、さらに孫を装った3度目の電話があり、女性が「またか」と聞くと、男はひょう変し「あんただまされたんだから、警察に届けた方がいいぞ」とバカにしたような口調で言って電話を切ったという。
女性は夫と2人暮らし。県外に20歳代の孫がいるという。【中村敦茂】(毎日新聞)
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