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「お父さん、借金が返せなくて北朝鮮に連れていかれてしまう」
東京都墨田区の自営業の男性（６５）宅に、突然、こんな電話があったのは１９日午前１１時半ごろ。 向島署の調べだと、男性の長男（４５）を装った男が、最初にひどい涙声で窮状を伝えると、続いて別の男が、「１２時までに金を払わなければ北朝鮮に売り飛ばす」と父親を脅した。
慌てた父親が長男の携帯に電話をかけたが繋がらず、「長男に間違いない」と思い込み、指定口座に現金３６０万円を振り込んでしまった。
同署では「北朝鮮を持ち出す手口はうちでは初めて。冷静に考えれば、おかしな話と思うのだろうが、被害者はパニック状態になってしまったようだ」と話す。
こんな手口が通じるのも、常識では計り知れない将軍様のご威光があるからだろう。
横浜市港南区では、主婦（３６）が警察官を装った男らに約２９０万円をだまし取られた。
港南署によると、主婦は１９日午前１１時ごろ、県警の警察官を名乗る男から「ご主人が交通事故を起こした。責任は全面的にご主人にある」と電話を受けた。
続けて、被害者の夫を名乗る男が「車の修理代や治療費で２００万円を振り込んでほしい」と話した。電話の背後では、夫を装った別の男が言葉にならない嗚咽（おえつ）を漏らし続けていたという。
慌てた女性が２００万円を振込み、指定された携帯電話に報告すると、「後遺症が出るかもしれず、もっと治療費が欲しい」と言われ、さらに約９０万円を振り込んでしまったという。
新種の「オレオレ」の被害は絶えない。
ZAKZAK 2004/01/21