2004年01月21日(水) 00時00分

『警察です。事故示談金を』 主婦から３００万円詐取 （東京新聞）

　「警察です。ご主人が交通事故を起こしたので示談金を」−。十九日、横浜市港南区の主婦（３６）が、こんな電話で約三百万円をだまし取られた。通報を受けた港南署は、「警察への信用を悪用した新手のおれおれ詐欺」として捜査している。

　調べでは同日午前十一時ごろ、警察官を名乗る男から主婦宅に、夫（３６）が交通事故を起こしたと電話があった。「全面的にご主人が悪く、示談を申し出ている。被害者もそれでいいと言っている」と話した。続いて「被害者の夫」を名乗る男が出て、車の修理代や治療費約二百万円を、指定した都市銀行の口座へ同日中に振り込むよう求め、携帯電話の番号も教えた。

　主婦は夫の携帯電話に連絡したがつながらず、約一時間半後に金を振り込んだ。数時間後、再び「被害者の夫」が「後遺症が残りそうなので、治療費にあと九十万円欲しい」と連絡があり、主婦は再度振り込んだ。やがて夫が仕事から帰宅し、だまされたと判明。教えられた携帯電話の番号にかけても、電源が入っていない状態だった。

　電話の声は二十−三十代で、穏やかな口調。指定された口座は横浜と川崎の支店だが、引き出されたのは二回とも都内の同じ支店だった。

　警察官を装った詐欺では、電話で「愛知県警本部長」を名乗り、病院を紹介すると言ってお年寄りから約百万円をだまし取った無職男（５５）が昨年五月、愛知県警に逮捕されている。長野県松本市では昨年十二月、交通事故の示談金名目で約百九十六万円が詐取されるなど、未遂を含めて四件が続発したことがある。

　　（中沢　佳子）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040121/lcl_____kgw_____004.shtml