2004年01月20日(火) 03時09分
資格取得後仕事のはずが…IT教材会社破産で苦情殺到(読売新聞)
「資格取得後に仕事を紹介する」として、IT関連資格の教材を販売していた通信教育会社「NMS」(東京都新宿区)が19日、約20億円の負債を抱えて東京地裁から破産宣告を受けた。
将来の副業収入を見込んで、60万円以上する教材を購入した顧客は全国で約2万7000人。うち、資格を取得できたのはわずか4000人余りで、この人たちも仕事紹介は期待できなくなるため、各地の警察などに苦情や相談が相次いでいる。
NMSは1991年に設立され、日本商工会議所主催の「ビジネスコンピューティング検定」など、IT関連の資格取得を目的とした教材を販売してきた。
CDとフロッピー計十数枚と、教科書や練習問題集数冊がセットになった教材は約60万円。さらに2万円余を支払えば、インターネットを使った通信教育を受けられ、資格を取得した人には、データ入力業務などの仕事を紹介するという契約になっていた。このため、全国で約2万7000人の契約者を集めていた。
しかし、同社の説明によると一昨年夏ごろから、同社の販売システムは悪徳商法ではないかとのうわさが広まったことなどから、解約が殺到して昨年1月から業績が急激に悪化、倒産に至ったという。
また、事実上、同社の業務が停止した昨年末以降、警視庁や埼玉県警などに顧客から、「仕事を紹介してもらったが、賃金は未払いのまま」(神奈川県の主婦)といった苦情や相談が多数寄せられている。
会社が倒産したことや、顧客の苦情が殺到していることについて、NMSの川北宏一社長は読売新聞に対し、「悪徳商法とのうわさが広がり、客離れを止められなかった。申し訳ないと思っている」と話している。
同社との契約に関する問い合わせは、NMS管財人室(電03・3500・1182)で受け付けている。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040120-00000301-yom-soci