『人→人』感染ならＳＡＲＳ以上に深刻（東京新聞）

2004年01月15日(木) 00時00分

　【マニラ＝若松篤】マニラの世界保健機関（ＷＨＯ）西太平洋地域事務局のコーディングリー報道官は十四日、鳥インフルエンザについて「人から人への感染が起きた場合、人には免疫力がほとんどないため、新型肺炎（ＳＡＲＳ）以上の深刻な事態が懸念される」と指摘した。　

　同報道官は「これまで人から人への感染は確認されていない」と強調。ベトナムで鳥インフルエンザによる感染死が確認された母子についても、「鶏からの感染だが、さらに詳細に感染経路を調べている」と話した。

　また「鳥インフルエンザのウイルスが人のインフルエンザのウイルスと合体した場合、どのようなウイルスになるのか分からない。潜在的にＳＡＲＳ以上の危険性がある」として、ベトナムで「調査を続けることが重要だ」と語った。

　同事務局は十三日、感染症対策の専門家をベトナムに派遣。関係当局と感染拡大を阻止する対策協議に入るとともに、ウイルスの人から人への感染が起きていないかどうかを注意深く見守っている。

　現在、鳥インフルエンザの予防措置は確立されていない。同事務局では、鶏から人への感染拡大を阻止するため「職業としてウイルスに接触する恐れのある人々は、細心の安全対策を取ってほしい」と呼び掛けている。

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