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阪神大震災で最大の教訓とされた「老朽家屋の耐震化」に関する市民の動向を探るため、読売新聞社は、東京・大阪の密集市街地で、耐震基準を満たさない木造住宅に暮らす300世帯から聞き取り調査を実施した。
耐震補強を行う意思のない住民が9割以上を占め、その要因として「資金難」「工事の効果に対する疑問」「あきらめの心境」など多様な事情が絡む背景が明らかになった。
調査の対象地域は、国の調べで「地震による家屋倒壊や火災の危険度が特に高く、重点的な改善が必要」と判定された密集地で、東京100世帯、大阪200世帯から面接調査した。
70%が「阪神大震災級の地震が、付近で近く起きる恐れが高い」と考え、大地震が起きれば、自宅は「倒壊する」「かなり損壊する」が計78%、「命に危険がある」「大けがをする」が計51%と答えた。耐震性の低い「既存不適格建築物」に暮らす不安は非常に強いことがわかった。
しかし、94%が「耐震補強するつもりはない」と回答。不安感が、実際の行動には結び付いていない結果が出た。
その理由は「家が壊れたら仕方がないとあきらめている」が最も多く39%。「資金がない」が33%、「どれだけの効果があるか、わからない」が23%だった。
あきらめの背景には、高齢化もあるとみられ、調査世帯の8割に高齢者がいた。工事に補助金を出すだけでは耐震化は進まず、高齢化福祉などとも連携した総合政策が急務であることも浮き彫りになった。