2004年01月15日(木) 00時05分
DSLユーザー数、2003年末で1,000万の大台突破--総務省が発表(MYCOM PC WEB)
総務省は、国内のDSLサービスの提供数が2003年12月末現在で、1,027万2,052回線になった、と発表した。DSLサービスのユーザー数は2000年末には9,723であり、3年間で1,000倍以上に成長したことになる。同ユーザー数は、2003年11月末で991万に上っていたが、この3カ月、月間増数は32-36万で推移しており、12月中の1,000万突破は確実とみられていた。
主要事業者別シェアでは、Yahoo!BBを擁するソフトバンクBBが36%、NTT東日本が20.4%、同西日本が16.3%で、この3社で全体の7割を超えている。ソフトバンクBBは、NTT東西の合計36.7%に肉薄しており、この1月の動向が注目される。
DSLサービスのユーザー数は2001年1月末の時点では16,194、この時期には利用料は月額5,000-1万円、さらにプロバイダー料金がかかり、下り最高速度は1.5Mbps以下といった水準が一般的だったが、この年の6月にソフトバンクがヤフーと組み、月額およそ3,000円からという破格の安値サービス「Yahoo!BB」の開始を発表、9月に本格サービスに着手した。
DSLサービスは、既存の電話回線をそのまま使用することができることから、光ファイバー網が完備されるまでは、インターネットのブロードバンド環境普及のための切り札としてかねてから期待されてきたが、依然、利用料金が高かったことや、NTTがそれほど積極的ではなかったことなどから、2000年までは普及の速度はゆるやかなものだった。
しかし、2001年に「Yahoo!BB」が登場したことにより、事業者各社も対抗して値下げ合戦が始まり、爆発的なブームを巻き起こし、ユーザー数は同年11月に100万に達し、翌2002年2月には200万、5月には300万、9月に400万、11月に500万に達し、国内ブロードバンドの中核としての地位を不動のものとした。
一方、2002年には、光ファイバーでも価格競争が始まり、2003年に入ると、各事業者の「光」拡販の取り組みが加速、この頃から「DSLは700-800万程度が限界」とする説が業界の一部から出始めた。また、総務省が2001年10月に発表した予測値でも、DSLは2003年度の749万を頂点に減少に転じ、2004年度は722万、2005年度は695万になり、光ファイバーに抜かれる、としていた。
ところが、実際の市場の動きはこれらの予想を覆し、DSLは2003年度末で1,000万を上回った。光ファイバーも低価格が進み、回線数の増勢も強くなってきているが、未だ100万には届いていない(2003年12月末で90万弱とみられる)。
DSLは、この3年ほどで価格破壊とともに下り最高速度も進化、昨年末には理論値としては40Mbpsにまでなった。ただ、DSLはNTT収容局からユーザー宅までの距離が2-3kmを超えると、通信速度が極端に低下する弱点がある。かつて通信産業界に属していたある大学教授は「無論、ブロードバンドの本命は最終的には光ファイバーだが、未整備の地域もあり、DSLは2,000万までは伸びるだろう」と指摘している。
いずれにしても「いまや、日本はインターネットのブロードバンド環境が世界一安くなった」(麻生太郎総務大臣)。これはDSLの功績であることは間違いない。価格が大きく低下すれば、2004年は、「光」がDSLを猛追することは十分ありうるが、ユーザー数では、当面はDSLがブロードバンドの盟主の座を手放すことはないだろう。
グラフはこちら
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/01/14/010.html
ブロードバンドユーザーがついに1,000万人を突破 - 総務省調べ
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/06/27/20.html
光ファイバーサービス加入者数50万を突破、半年で2倍に
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/08/29/20.html
東京のインターネット料金は、世界最安値の水準に - 総務省が調査
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/09/11/16.html
ヤフー、低価格ADSLサービスに参入、年内100万人ユーザー目指す
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/06/19/11.html
総務省
http://www.soumu.go.jp/
(MYCOM PC WEB)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040115-00000095-myc-sci