2004年01月15日(木) 03時09分
警視庁の誤認逮捕、アリバイ裏付け捜査せず拘束続ける(読売新聞)
警視庁玉川署が昨年11月、事件とは無関係の女性(40)を窃盗ほう助容疑で逮捕していた問題で、同署は、女性が主張するアリバイについて十分な裏付け捜査を行わないまま逮捕し、身柄の拘束を続けていたことがわかった。
女性の夫らの指摘を受けて、同署が改めてアリバイを確認した結果、女性の無実が判明した。
同署などによると、東京都世田谷区の芸能事務所から書類などを盗んだとして、窃盗などの疑いで逮捕した元社員の男(30)は、調べに対し、「侵入する時、事務所のドアのかぎは開いており、なかにいた女性に『何か持っていけば』と言われた」と供述。この供述をもとに、同署は女性を窃盗ほう助容疑で逮捕した。
女性は同署に対し、犯行時間帯のアリバイについて、「入院中の事務所役員の見舞いに行っていた」と主張。病院から帰宅する際、夫に電話して迎えに来てもらったことや、帰宅途中に飲食店や量販店に立ち寄ったことも伝え、事務所の鍵についても「男が合鍵を作った可能性がある」と訴えていたという。
入院していた役員も、同署の事情聴取に、見舞いを受けたことを認めていたが、捜査員は「近しい人の供述をすべて信用するわけにはいかない」と応じず、ほかの供述については裏付け捜査さえ行っていなかったという。
女性が逮捕されたことを知った夫が弁護士を通じて、同署で保管していた女性の携帯電話の通話記録を調べるよう依頼したところ、実際に女性が夫に電話をかけていたことが判明。また、夫と役員が事務所近くの鍵業者に問い合わせたところ、犯行の2日前に男が合鍵を作っていたことも分かった。同署が、これら夫らからの情報をもとに事実関係を調べ直した結果、男が虚偽の供述を行っており、女性は誤認逮捕だったことが判明したという。(読売新聞)
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