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2004年01月14日(水) 00時00分

鳥インフルエンザ 養鶏業者に防疫求める 東京新聞

 山口県阿東町でニワトリから高病原性鳥インフルエンザが確認された問題で、県畜産課は、防疫対策の徹底を呼び掛けるチラシを作成、十四日にも県内養鶏業者百五十戸すべてに配布する。肉や卵から感染する可能性はないとされ、養鶏関係者らは比較的冷静だが、感染拡大や風評被害への懸念もある。

 同課によると、県内では計約百四十万羽が飼育され、二〇〇二年は三万二千トンの鶏卵が生産された。全国に占める割合は1・2%で、ほとんどが県内で消費される。県内業者のうち百戸が、千羽以上を飼育している。

 昨年三月から九月にかけ、欧州で鳥インフルエンザが流行したことを受け、県内四カ所の県家畜保健衛生所は業者に注意喚起のチラシを配布していた。十二月には韓国で発生、さらに今回の国内での確認を受け、あらためて▽野鳥の侵入防止▽消毒の徹底▽農場への出入り制限−などを呼び掛ける。

 約六十万羽と県内最大級の飼育規模を持つ愛川町の「神奈川中央養鶏」は「韓国は近いから、いつ(日本で)出るかと心配していた」と話しつつ「食べる分には大丈夫と農水省が説明してくれている。牛のようなことにはならないと思う」と、消費者の冷静な対応に期待を寄せた。

 鶏肉、卵合わせ年間二千九十五トンを取引する横浜市中央卸売市場は「山口産も韓国産も扱っていないので大丈夫」と強調。県内で五十九店舗を展開するスーパーの相鉄ローゼンは「売り場でお客さまに目立った混乱はない。鶏肉は鹿児島県の指定牧場から仕入れているので心配はない。告知予定もない」と言う。ただ横浜市内の養鶏業者は「バブルのころは一キロ二百円超だった平均相場が、昨年は百五十円。ただでさえ低迷しているので、消費者の動向が心配」と不安を漏らした。

 県内でウイルスによる被害は一九九九年、ニューカッスル病で業者が飼育している闘鶏や愛がん用ニワトリ三十四羽が死亡した例があるが、大量死亡例はない。

  (原昌志、石川智規)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040114/lcl_____kgw_____001.shtml