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2004年01月14日(水) 00時00分

あきらめぬ女たち 東京新聞

 このところ、女性の運動は元気がないが、男女共同参画に目覚めた沖縄県金武町字金武内にある、人口五千人の金武区の女性たちは別らしい。

 地区軍用地料の分配が「男の子孫」に限られているのは不平等と、二十六人の女性が立ち上がった。米軍訓練場にある共有地に入会権を持つ「金武部落民会」の正会員の承認を求め、二〇〇二年十二月に訴訟を起こし、昨年十一月、那覇地裁で勝訴した。

 金武区で個人に支払われる軍用地料を受給できるのは、金武部落民会の正会員−(1)「男の子孫」(2)二十歳以上の男性(女性は準会員にはなれる)(3)未婚女性か、他区の人と離婚して金武区に住む女性で、いずれも五十歳以上−に限られている。

 個人に支給される軍用地料は、正会員には年六十万円、準会員五十万円。今は軍用地の山には入れないが、かつては男も女も同じ山に行き、共同作業をしてきた。にもかかわらず、他の地区の男性と結婚した女性に資格がないのは差別である。

 仲間美智子さん(70)は資格のない一人だ。同じ境遇の女性に呼びかけ、五年前から勉強会を開いている。

 「せめて準会員にしてほしい」と金武部落民会に交渉したが相手にされなかった。「地区にたまった軍用地料の使い道にも発言したい」と、女性たちは裁判に訴えたのだ。

 「もめごとのない他地区は男女平等です。同じ税金を払っているのですから…」

 しかし一審判決を不服とする被告の金武部落民会は控訴した。

 仲間さんたちの一審勝訴は、黙っていては地域の慣習に残る不平等を是正できないことを物語っている。

    (国保良江)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ronsetu/20040114/col_____ronsetu_000.shtml