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2004年01月13日(火) 03時07分

信託3業務登録制に、事業会社参入促す…法改正案全容読売新聞

 政府が通常国会に提出を予定している信託業法全面改正案の全容が12日、明らかになった。他人の財産を管理・処分する信託制度を抜本的に拡充する内容で、これまで金融機関に限られていた信託業務を事業会社に解禁するため、免許制の「信託業」に加え、新たに3つの類型の業務を、より参入が容易な登録制で行えるようにする。

 新規参入による競争促進で、信託関連サービスの質の向上と利用拡大を図る狙いだ。また信託可能な財産の範囲を、特許権や著作権などの知的財産権などにも広げ、企業が多様な資金調達手段を確保できるようにする。

 現行の信託業法は1922年に制定され、全面改正は約80年ぶり。政府は国会審議を経て、秋にも改正法を施行する方針だ。

 現行法は、信託できる財産として、金銭、有価証券、金銭債権、動産、不動産などを列挙し、限定している。改正案では列挙をやめ、経済的価値が評価できる財産は、原則自由に信託できることにする。

 そのうえで、戦後は信託銀行などの金融機関にしか認めてこなかった信託業務を、事業会社に解禁する。すべての信託業務を行える「信託業」は現行法と同じ免許制とするが、新たに、財産の管理と委託者の指図に従った処分だけ行う「管理型信託業」、信託会社と契約して代理店業務を行う「信託契約代理業」、不動産や特許権などを証券化した信託受益権を投資家に販売する「信託受益権販売業」を、それぞれ登録制で導入する。

 これにより、ベンチャー企業などの特許権などを活用して資金調達する信託会社の設立や、企業やアーティストなどが特許権や著作権による収入を管理する信託会社の設立が可能になり、信託制度の活用範囲が広がる。生損保や証券会社の信託契約代理業への参入も見込まれる。

 大学の開発技術を特許化して民間に移転する技術移転機関(TLO)にも登録制で信託業務を認めるほか、大企業がグループ会社の特許権などを一元的に管理するための信託会社設立は特例で届け出制にするなどして、新制度の利用拡大を目指す。

 新規参入会社の最低資本金については、金融庁は、すべての信託業務が行える信託会社は1億円、管理型信託会社は5000万円とする案を軸に検討している。ただ、経済界には管理型信託会社は1000万円まで引き下げるべきだとする意見もあり、今後詰めて、政令で定める。

 ◆信託=財産の所有者が信頼できる第三者に財産権を移し、管理、処分を託す制度。個人や企業が、より大きな収益を得る目的で、金銭や有価証券などの運用を信託会社に委託する「自益信託」と、財産を自分以外の人などに与えたり、公益に役立てる目的で委託する「他益信託」がある。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040113-00000201-yom-bus_all