2004年01月13日(火) 12時25分
コミックを「わいせつ」と認定、出版社社長に有罪判決(読売新聞)
わいせつコミック約2万冊を出版・販売したとして、わいせつ図画販売の罪に問われた出版社「松文館」(東京都豊島区)の社長・貴志元則被告(54)の判決が13日、東京地裁であった。
中谷雄二郎裁判長は「価値観が多様化した今日でも、このような漫画本を許容する社会通念は形成されていない」と述べ、懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)を言い渡した。貴志被告は同日、東京高裁に控訴した。
被告側によると、公刊された漫画本が「わいせつ物」に当たるかが問われた初の司法判断。出版社の責任者に有罪判決が出されたことで、業界の自主規制などにも影響を与えそうだ。
判決によると、貴志被告は一昨年4月、都内などの販売業者16社に、コミック本「蜜室」を約2万冊販売した。
判決は、「作品の中心はあくまで性描写で、芸術的・思想的な要素はほとんど存在しない」と指摘。漫画という表現手法についても、「やり方次第では性的刺激を緩和することも可能だが、今回は修正の程度が弱い」として、「蜜室」がわいせつ物に該当すると認定した。
被告側は、「漫画による性的刺激は実写に比べて格段に劣る」などと、無罪を主張していた。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040113-00000103-yom-soci