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京都府城陽市の農事組合法人「山城養鶏生産組合」(西田詔子・代表理事)が昨年12月、半年前から冷蔵保管していた卵約5万個を大阪、京都両府内のスーパーなどに出荷していたことがわかった。一部は採卵日を偽っており、27人が下痢など体調不良を訴えたという。京都府宇治保健所の検査で食中毒の原因となる菌などは見つからなかったが、同保健所は同組合に再発防止と十分な管理を求め、文書で指導した。
卵は食品衛生法で賞味期限の明示が義務づけられているが、日数などは生産者や業者らが自主的に決めており、採卵日の表示については法的な義務づけはない。採卵から半年もたって出荷した今回のケースでも、法的責任は問えないという。賞味期限について同組合は、採卵から14日間程度を基本にしているという。
同組合によると、卵は昨年6月19日に約10万個を採取したが、低価格競争のあおりで約5万個は出荷できず、別業者の冷蔵庫で保管した。12月1日に卵が不足したため、担当の従業員が「品質に問題はない」として、保管していた5万個の卵を10個入りのパック詰めに。大半は「12月2日パック詰め、11日賞味期限」とのラベルを付けたほか、約70パックについては「12月2日採卵」という虚偽の表示をして、京都や大阪の生協やスーパーなど計15店舗に出荷したという。
その後、消費者から、「味がおかしい」などの苦情が店に寄せられた。連絡を受けた同組合が調べたところ、従業員が出荷していたことを認めたという。
取引先の中には「重大な背信行為」として、同組合との取引を停止したところもある。
同組合は12月9日に宇治保健所に連絡するとともに、京都府内の消費者向けに「おわび」の文書を出し、大阪府内の新聞には同月11日付で「おわび広告」を掲載した。同組合によると、これまで2日に出荷した卵で回収できたのは約1万個といい、これ以外は消費された可能性が高い。
一方、同保健所は「体調を崩した」などと訴えた27人のうち、同意が得られた1人を検査した。しかし、食中毒の原因となる菌などは検出されなかったという。
同組合の西田敏・農場長は「迷惑をかけて申し訳ない。二度とこのようなことのないようにしたい」と話している。
(01/12 00:28)