2004年01月12日(月) 00時00分

１歳児に誤って成人の処方箋　盛岡市立病院（朝日新聞・）

　盛岡市立病院（狩野敦院長）で先月、１歳９カ月の男児に別の成人男性の処方箋（せん）が誤って渡されていたことが、１１日までに分かった。処方箋の内容に疑問を持った母親は、薬を購入せず服用させなかったが、病院側は「あってはならないミス。再発防止に努める」としている。

　病院側によると、男児は先月２４日、耳鼻咽喉（いん・こう）科で非常勤医師（３２）の診察を受けた。男児には薬を処方する必要がなかったが、医師は次に診た成人男性の処方を、投薬や検査の指示を出すパソコンで、男児のものに誤って入力してしまった。

　医師は入力ミスに気づき、パソコン上で訂正したが、会計窓口などにも内線電話で連絡しなければならないのを、失念した。さらに会計でも、回って来た外来カードに投薬の記載がないのにそれに気付かず、誤った投薬指示に従って処方箋を渡してしまったという。

　母親は、錠剤やカプセルが多い処方箋の内容に疑問を感じ、薬を購入しなかった。処方された４種類の薬の中には、万一男児に卵白アレルギーなどがあれば、呼吸困難など重大な副作用を引き起こす恐れのあるものもあったという。

　翌２５日の点検でミスに気づいた病院側は、「薬を飲まないように」と母親に電話で連絡した。母親は２６日に病院側に説明を求めたが、文書で説明があったのは今月８日になってからだった。

　同病院の平沢健事務局長は、朝日新聞の取材に対し「チェック態勢を見直し、家族への謝罪や説明も改めて検討したい」と話している。（1/12）

http://mytown.asahi.com/iwate/news02.asp?kiji=4816