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2004年01月12日(月) 20時35分

79年ぶりに鳥インフルエンザ、山口の養鶏場で発生読売新聞

 農水省と山口県は12日、同県阿東町の養鶏場で、毒性の強い鳥インフルエンザの発生が確認されたと発表した。

 鳥インフルエンザは先月、韓国中部で発生して韓国内で被害が拡大しており、日本の養鶏業界でも危機感を強めていた。鳥インフルエンザは、生きた鶏と接触した人に感染する例があるが、鶏肉や卵を食べることで感染した報告例はないという。日本でこの鳥インフルエンザウイルスが確認されたのは、1925年以来79年ぶり。

 農水省によると、鳥インフルエンザが発生したのは、山口県阿東町で約3万4000羽の鶏を飼育する「ウインウインファーム山口農場」。採卵専門の養鶏場で、昨年12月28日から飼育中の鶏の死亡が相次ぎ、山口県や動物衛生研究所(茨城県つくば市)などで調べたところ、韓国で感染が広がっている「H5型」に属する高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。同農場では既に約6000羽が死亡、山口県の指導で今月10日から卵の出荷を自粛している。

 さらに山口県は、ウインウインファーム山口農場の鶏の処分を進めており、半径30キロ以内の農場については鶏や卵などの移動を禁止した。今後、感染ルートの解明を急ぐ。今のところ周辺農場で、感染の疑いのある鶏は見つかっていないという。

 また、厚生労働省などは念のため、先月28日から今月9日までにこの養鶏場から出荷された計約20トンの卵について自主回収を指導し、関係業者が回収を進めている。

 鳥インフルエンザはこれまで、香港、中国、米国、ドイツなどで発生。97年には、香港の鶏市場などで感染者6人が死亡し、生きた鶏との接触で人に感染することが確認された。一方、先月から猛威を振るっている韓国では約32万羽が処分される被害が出ているが、人への感染は確認されていないという。

 鶏肉や卵を食べることによる人への感染は確認されていないことから、農水省衛生管理課の栗本まさ子課長は「過度な警戒は必要ない」と話している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040112-00000011-yom-soci