2004年01月11日(日) 19時16分
<スズキ>販売会社の顧客情報横流し 損保会社に提供(毎日新聞)
軽自動車メーカー大手「スズキ」の系列販売会社9社が、損害保険会社の代理店として顧客と交わした自動車保険の契約申込書を、無断で別の損保会社に提供していたことが分かった。申込書には、生年月日や住所、保険料などの個人情報が記載されており、銀行の口座番号が記載されているケースもあった。同社は「複数の見積もりを提示する顧客サービスの一環だったが、配慮が足りなかった」として、顧客の同意を得るようグループ各社に指導した。
スズキによると、契約申込書の「横流し」を組織的にしていたのは、スズキ自販近畿(大阪市)など4社。他に個人レベルでも5社で行われていた。最も早い社で、02年5月から始めていた。
このうち、スズキ自販近畿は昨年9月、損保ジャパン(東京)の保険に加入している顧客の契約申込書の控え54枚を、見積もりを依頼したいとして日動火災海上保険(東京)に提供。損保ジャパンにも同様の理由で、日動火災の契約申込書25枚の控えを提供していた。すべて、同年11月に満期を迎える顧客の申込書だったという。
ところが、9月末の深夜、日動火災の営業車が大阪市内で車上荒らしに遭い、提供を受けた契約申込書が入ったカバンごと盗まれた。カバンは10月、別の場所で見つかったが、報告を受けたスズキ側では、個人情報の取り扱いに問題があったとして、顧客の同意を取るよう改めたという。
スズキの岡島有孝・広報グループ長は「顧客が新しい保険に乗り換える場合に備え、損保会社の了承のうえで、見積もりをお願いしていた。サービスの一環と考えていたが、認識が甘かった」と話している。
日動火災広報室は「契約申込書は、年間で数十社の自動車ディーラー代理店から提供されてきた。これらの顧客情報は見積もりをした後、コンピューターから消去している。弁護士と相談したうえでプライバシーの侵害には当たらないと判断してきたが、05年春の個人情報保護法施行に向け、対応が必要なら検討する」としている。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040112-00000039-mai-bus_all